けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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2008-07-07 10:35:53 | 東洋医学全般
痔になる原因は肛門周囲の血液の流れが悪くなって、痔静脈が怒張する。それが慢性的になって、かたまりを形成する。(いぼ痔)。排便時に肛門が裂傷を起こして出血している(切れ痔)。出産などで思い切り力んだりした後に直腸が肛門の外に出てしまい、これが慢性化している出痔(脱肛)。などがあります。

もちろん患者さん一人一人の体質に合った漢方薬を処方することが大切なのですが、一般的な治療コンセプトは、肛門周囲の氣血の流れをよくして、落ち込んでいる気の流れを少し上に挙げる、提氣(ていき)という事を目標に行います。

同時に、患部によい塗り薬を使うことになるでしょう。この塗り薬の代表的なものに、紫雲膏(しうんこう)があります。
これは、ご存知の方も多いと思いますが、下記のような症状によく効きます。

湿疹、主婦湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、角皮症、唇・手・足・かかと・ひじのひび、あれ、あかぎれ、水虫、魚の目、たこ、いぼ、あせも、かぶれ、ニキビ、吹き出物、化膿性のできもの、はれもの、しみ、水疱、しもやけ、びらん、ただれ。

そのほかに外科的疾患として、
やけど、切り傷、擦り傷、痔(いぼ痔による疼痛・肛門裂傷、出血、脱肛)、褥瘡(床ずれ)、ひょう疽。

この軟膏は本来ごま油で練り上げてあるのですが、時として米人の肌に合わず、またシュウマイみたいなにおいが嫌だという方もいらっしゃいます。
そこで、私たちは高級オリーブ油(いわゆるバージンオイル)で練りこんだ無臭バージョンを製作しています。来週にでも、もう一つの内容物である蜜蝋が手に入ったら、久しぶりに製作するつもりです。

これは、以前もご紹介いたしましたが、江戸時代の漢方と蘭方をよくした、華岡青洲が中国の書物に出ていた潤肌膏という膏薬のコンセプトから考案した日本の膏薬です。華岡青洲は有吉佐和子さんの小説「華岡青洲の妻」にあるとおり、チョウセンアサガオを主成分とした麻酔薬を発明して、妻と実母の乳がんの手術をしたことで有名な医師でした。

日本伝統鍼灸漢方


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