けい先生のつぼにくる話

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黄耆建中湯 (おうぎけんちゅうとう)2.胆石

2011-06-21 14:53:22 | 東洋医学全般

黄耆建中湯は胆石の治療に使えます。

胆石はその質から、ビリルビン性の胆石と、カルシウム性のそれとが存在します。
前者は血液の成分から来るもので、後者はカルシウムの堆積によるものです。
どちらもとんでもなく痛むので、胆石のある方はつねに「今度はいつあの恐ろしい痛みが襲ってくるのだろう。。。」と怯えていらっしゃいます。

黄耆建中湯は漢方医学的な証という概念で言うと、脾虚陰虚熱証という状態です。

五臓である肝、心、脾、肺、腎のうちの、脾が虚して、本来この臓器が音頭を取って胃腸を働かせて作り出す、気、血、津液(しんえき、血のように色がついていない液体)の製造がうまく行かず、それゆえに発生した熱(虚熱)が悪さをしているという状態です。

この悪さの結果として、胆石も含まれております。
黄耆建中湯の中の建中湯が脾を中心とした胃腸の動きを助け、黄耆が体の気をめぐらせて、芍薬がたるんだ組織を引き締めて、結果的に石のしぼり出し作用を発揮します。

よって、脾虚陰虚熱証の体質の方の胆石はこの黄耆建中湯によって、その石が消えることがあります。もちろん石の大きさによって、その効果は異りますが、試してみる価値の非常に大きな漢方方剤の一つです。

芍薬のしぼり出し作用と述べましたが、これについては後日詳述したいと思います。近代の中医学と古典医学ではその概念が異ります。

漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。

私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。

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