けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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日本で取った国際中医師の資格はアメリカでは使えません。(あやしい民間資格にご注意ください。)

2011-12-21 21:03:25 | 雑記
先日、日本の知らない方から漢方医学の関連の質問をメールで受けました。

はじめは私のHPの漢方薬をご所望の一般の方かと思い、丁寧に答えていたのですが、妙に中国医学用語を使った文章を書いてくるので不思議に思っておりました。

丁寧にメールで問診をしてあげてから、この方に合った漢方方剤名をお伝えしますと、「しかしそうではなく、私は別のxx丸の方が合っていると認識しています。」とおっしゃるではありませんか。。。じゃなぜ私にこんなことを聞いてくるのでしょう?道場破りでしょうか。。。
あるいは自称経験豊富な同業者ではないかと思いましたが、それにしてはそれらのメールの内容が東洋医学の基礎である、「あらゆる病はその病状の虚実にかかわらず、臓腑の精気の虚から始まる。」という原則を欠いているようです。聞いてみると、「日本の国際中医師の学校」とやらで学んでいる普通の学生さんでした。大昔の谷啓氏のギャグでいうと「ハラホレヒレハレ。。。。」というところでしょうか。(古い、、古すぎる。。)

「国際中医師」、この資格を日本で取ってアメリカにわたってきて、その資格が米国でまったく使うことができずに挫折して帰国する方を何人も見てきましたので、ためしにググッて見ると、このような情報が手に入りました。

http://okwave.jp/qa/q4622753.html 「怪しい国際中医師資格」に騙されないようにしてください。多くの人がこのことを知らずに学んでいらっしゃるのかもしれません。

そして、その内容に重大な誤りを発見したのです。このURLの後のほうの「補足」のところに、国際中医師の資格でカリフォルニア州と東南アジアのマレーシアで開業できると書いてあるのを見て驚いてしまいました。これは大間違いです。大嘘です。米国ではそのようなことは絶対にありません。もし関係者がそういっていたとしたら、これは資格詐欺商売です。

国際中医師は中国政府公認の資格と謳われていても、その実、日本の「民間資格」でしかありません。この資格だけでは日本で鍼灸はおろか漢方治療もすることはできません。

日本は鍼灸師は厚生省の鍼師免許、灸師免許、あんまマッサージ指圧免許が存在します。
漢方薬の処方は薬剤師の免許が必要です。すでに日本の医師、鍼灸師、薬剤師の免許を持つ方が日本での業務の足しにする教養の為に中医学を学ぶことは否定いたしません。
たとえば漢方を扱う日本の免許を持つ薬剤師さんが「国際中医師の民間資格あり」と謳っているのはよく見かけます。これはまったく問題ありません。
繰り返しますが、日本には「中医師」という国家資格は存在しません。

米国では、カリフォルニア州ともう一つか二つの州はその州のメディカルボードのAcupuncture免許が必要です。その受験資格は米国のTCM(Traditional Chinese Medicine)の大学院の卒業資格が必要となります。他の州はやはりTCM大学院で学び、全米統一のAcupuncture試験に合格して、カリフォルニアと同じく鍼、灸、漢方を使うことができます。
違反者は医事法と薬事法違反で日本のそれよりもはるかに厳しく処分されます。

本場中国の東洋医科大学の教授でさえも米国でその州の履修学歴認定を受けてから一定期間、米国の東洋医科大学院に通いなおして、或は全期間(最低3年半)通いなおして初めて受験資格をもらい、試験に合格しなければいけません。私もきっちりと試験を受けなおして合格をしてきたのです。

マッサージは簡単で、マッサージ学校に半年か一年くらい在籍し、タクシーの運転手さんとかが登録をする、その市町村のライセンスビューローで簡単な試験を受ければよいだけです。

東洋医学も、西洋医学も、医学は人類の宝です。
怪しい「民間資格詐欺」にご注意ください。

漢方アメリカOnlineをよろしくお願い申し上げます。

私の記事が載っている月刊誌「はつらつ元気」です。ご参考になさってください。

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