けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

なぜ治らないのか、、、ずれているピント。

2012-10-23 16:08:01 | 東洋医学全般

ある州の東洋医学校の日本人の学生さんから人づてに私に連絡が入りました。「なんか、学校で、これまで習ってきた鍼灸や漢方治療がスカッと効いていないんです。。。」「卒業生や学校の先生がやっているクリニックに行って治療を受けたのですが、鍼が痛くてかないません。そして、効いてるとも思えないのですが。。。」というお話です。

甚だしきに至っては、「学校では臨床技術の授業より、どうやって患者さんに15回分の予約を入れさせるか。」「パーティなどでどうやって自分を売り込んで患者さんをゲットするか。。。の授業ばかりで鍼灸の手技をちゃんと教えてくれません。。。」
などなどです。。。

これ、多くの鍼灸漢方の医学校で起きていることではないでしょうか。

なぜ、ここに出てくる方々の鍼灸や、漢方治療が効かないのでしょう?

第一に痛い鍼は効きません。病名だけで選んだ漢方薬はまずいだけで、これも効きません。これは本当です。

そして、多くの米国の東洋医学校では西洋的な病名に対して、どんなツボを使って鍼灸治療をするかとか、この病名の疾患にはどの漢方方剤がいいのかなどと西洋医師と同じ考えでいることに無理があるのです。

東洋医学は東洋思想でできています。だから、解剖学も病理学も生理学もおのずと東洋的な意味でのそれらが存在します。これを我々は東洋医学の古典書物を学ぶことによって経験をつんでゆきます。日本の鍼灸学校では、西洋と東洋のどちらも学ばせるところが多いので、米国のそれよりはあるていどバランスがよいと考えられます。

鍼もお灸も漢方薬も東洋的な土台でできあがっているので、東洋的な使い方をしなければ効きません。むしろこれらを西洋的に使うことの方がおかしいんじゃないの?ということになりますが、どうもそうは思われていないようです。

おおむかしですが、ロックギタリスト寺内タケシ氏が「ロック津軽じょんがら節!」ということでロシア公演を行ったとき、天才!北野たけし氏が「なにもわかってねーロシア人ならだませても、あんなおっそろしくだせーの、日本じゃ誰も聞かないっての!!」といっていました。私は「そのとおり!」と大喜びをしたのを覚えています。。。この感覚なんです。

シャレで弾くなら大いに結構、、、しかしマジで日本の音楽をエレキで弾いてどうするの。。。そして逆も真なり。ということでしょうか。

「鍼もお灸も漢方薬も東洋のものなのだから、東洋的に使いなさいよ。」ということです。「納豆にケチャップかけてうまいか?ずっとそれでいいのか?」といことです。

かわいそうなのは、まじめに東洋医学を勉強して、一日も早く一人前の臨床家になりたいと頑張っている学生さんです。

ちなみに漢方薬治療は業界では湯液治療(とうえきちりょう)といいます。

他校で学ばれている、この学生さんの貴重なお話を元に、この学生さんご本人と、私の授業を受講している学生さんに宿題を出しました。

これらの3つのことをことをよく考えて治療をしたり、自己診断をしてみましょう。

1.精気の虚
2.病理の虚
3.病症の虚

次回からこれらについてお話をしてみたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする