けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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なぜ治らないのか、、ずれてるピント (続き、、病症治療。)

2012-10-26 22:55:53 | 東洋医学全般
1.精気の虚
2.病理の虚
3.病症の虚

先回はこのお話が出たところでおしまいでした。

ひとは同じような状況で病気になる人とならない人がいます。

虚(きょ)があるということは、その逆の実(じつ)があるということがうかがえます。そういう風に考えることが、東洋的だともいえます。

答えの一部を言ってしまうと、2の病理の虚は同じく病理の実もある。3の病症の虚は同じく病症の実もある。しかし、1.精気の虚はこれだけで、実はない。ということです。

東洋思想でよく使う「陰陽」の考え方では陰的な状態を虚、陽的な状態を実という風に、「虚実」に置き換えられるわけです。このほかにも「寒熱」、「上下」、「気血」、「表裏」などという言葉で表されることもあるわけです。

説明の便宜上、上記の1番目の件は後回しにしてお話をいたします。

多くの患者さんは、3番目の、「どこかが痛い」、「元気がない」、「ストレスでイライラする」、「赤ちゃんがなかなかできない」。などの「病症」を訴えにやっていらっしゃいます。

そこでこの病症、例えば頭痛があった場合、その痛みの質、「頭に触られるのもいやなくらいの激しい痛さだ。」(これは実的な痛み。)か「頭をジワーっと押してもらうと気持ちがいい。」(これは虚的な痛み。)を見分けて、実的な痛みは頭の熱気や緊張を取ってあげるような治療を施します。虚的な痛みには気持ちよくめぐりがよくなるような補うような治療を施します。

これが東洋的な意味合いの病症治療です。痛みの質を陰陽というカテゴリーの虚実に分けて治療をいたします。頭痛は治りますが、でもこれは病症治療でしかなく、その頭痛が起きた原因の改善には至っていないので、たぶん再発します。

多くの米国の免許を取り立ての鍼灸漢方医は、この治療にやっきになっています。しかし、多くの治療家は教科書に書いてある「頭痛のツボ」にグサグサと鍼を刺したり、電気を通したりするだけなので、うっかりすると悪化させてしまって終ります。

次は2番の「病理の虚(実も含む)」のお話をいたしましょう。
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