今回の動画では、派手な動きはありませんが、非常に大切なことが説明されています。
この「手の内」の技術は、日本では新陰流系統の剣術から派生していると教わりました。
刀の持ち方が、手掌腱膜で挟むように軽く持って、ぐい飲みの手を保持することによって、こちらの体幹からのエネルギーを無駄なく相手に流し込むことができるということです。
もし、これを指の力を使ってがっちりと握ってしまうと、手首が固まってしまい、せっかく体幹部の深層筋や表層筋から伝わってきたパワーが、手首で止まってしまうので、相手とは腕力勝負になってしまいます。すると、力の強いもの、スピードのある者だけが優勢になって、アメリカのパワースポーツと同じになってしまいます。
この手の内の技術は、傑出した武道家なら使えている場合が多いものですが、それを自得した人はそれを伝えなかったか、できてしまうので、弟子に理論的に教えることができなかったかで、きちんと伝えられておりません。
太極拳、八卦掌、形意拳などの柔拳法や詠春拳の拳や掌の使い方の随所にも、この「手の内の技術」が使われていたと思われる形跡がります。しかし、一部の大先生にしかそれを使えていません。
北カリフォルニアの詠春拳も相手と組む場合に使う「伏手(ぐい飲みの手の形に酷似した手つき)」を柔らかく作って、濡れた布巾を相手の腕にふわりと置くように絡ませると教えているのですが、実際に使うときは、渾身の力を込めて相手を引き倒す力相撲になっていました。
これも、失伝している良い例です。
昨日この記事を書くためにYoutubeで検索をしていたら、こんな動画がありました。
この推手大会は米国の武道大会でも大流行です。
しかし、残念ながらやっているのは力相撲です。
https://www.youtube.com/watch?v=rgLZoQjpxWo
こんなことをやっていると、こんなカテゴリーの武術家になってしまいます。。
http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/5637e3e7ad57599dd98ef7fc73855dcb
「手の内」の動画をまとめてみました。
https://www.youtube.com/watch?v=ysbVxcXmPo4&list=PLKFdW6e8h_hZLsH1Fe7vw5NuIZ-fvYh_o