和漢薬のカテゴリーの中では、柴胡剤グループというのがあります。
名のごとく柴胡(さいこ)という漢方薬が含まれている方剤です。
柴胡の単品は、ストレスで生じた発散してしまいたい気の流れで、足の少陽胆経にたまっているそれを発散させるという作用があります。
これはどういうことかというと、
1.イライラ系のストレスが強い。
2.細いことが気になって仕方がない。
3.「あ、鍵をかけ忘れたんじゃないだろうか?!」と何度も確認せずにいられない。
4.人がやっていることでも気に食わなくてしょうがない。
5.怒り出したいのに、いつもニコニコして、無理をしている。
6.ストレスで食欲はないが、ちゃんと働くために無理をして食べている。
こういうような事がいくつか当てはまるようでしたら、柴胡剤の出番です。
もちろん、柴胡を単品で使うことはありません。
患者さん一人一人の体質と体力の具合で、どの柴胡剤を使うかが決められます。
例えば、体力があっていつも食欲旺盛な方は、大柴胡湯(だいさいことう)、逆に体力を使い果たすくらい疲れていて元気がないが、眼光に怒気を含んでいる方には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が使われます。もちろんもっと細かい分類があるのですが、それはさらに詳細なる問診で決まります。
今回題記にあります加味逍遥散(かみしょうようさん)は上記の大柴胡湯と補中益気湯の中間よりやや下に位置する方剤です。ストレスがあって、やや体力が落ちてるかなあという状態で使います。
まあ、怒りやイライラ系のストレスを感じる方はどなたが飲んでもよろしいという方剤です。これはわたくしも愛用をしています。これを飲みますと、日中ならば多少のストレスを感じても「ま、いいかな、、」というモードになりますし、寝る前に飲むと、大変よく眠れます。粒剤なので便利です。
この加味逍遥散とともによく使われるのが、帰脾湯(きひとう)です。これは、イライラというよりも「考えすぎてしまって起きるストレス」のある方に使います。