ごっとさんのブログ

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糖尿病の新しい治療法かその2

2016-04-01 10:42:36 | 健康・医療
前回糖尿病特にI型の治療法として、ブタの膵臓からとった膵島を、カプセルに入れて投与する方法について書きました。

この治療法としては、インシュリンを注射する以外は、臓器移植しかありませんが、日本ではドナーがほとんどいないため、年に数件程度しか移植は行われていないのが実状です。この移植の代替法として、開発が進んでいるようですが、実際の臨床試験では、このカプセルを腹部に移植すると、完全にインシュリンが不要となるまで完治した例や、量を大幅に減らすことができたようです。またこの治験による副作用などは出ていないようです。

こういった人間以外の動物臓器を使うことに、どうも日本は拒否反応的な部分があるようですが、糖尿病の管理の難しさや、合併症の危険など考えると受け入れられるような気がします。この治療法が正式に認可を受けるまで何年かかるかわかりませんが、iPS細胞から膵島を作るというよりは早くできそうです。

糖尿病という患者数の多い病気ですので、インシュリンに頼るだけではなく、こういった根本治療になるような手法を望んでいます。もう一つは韓国の研究所からの発表です。これは投薬診断パッチとでもいうべき、インシュリンの投与方法です。

写真で見ると薄いシートのようなものを、腕に張り付けるだけのようです。発表ではこのシートを「電子皮膚」と呼んでいるようです。インシュリンの投与は、本来血糖値を見ながら高くなった時に適量というのが理想ですが、現実的にはなかなか難しいようです。

この電子皮膚にはセンサーとごく細い針が埋め込まれているようです。このセンサーには酵素が入っており、汗の中に糖分があると、この酵素と反応しごく微弱な電流が流れる仕組みになっています。この電流を外部装置に送るという仕組みのようです。この汗の中の糖分と血中濃度はほぼ比例するようで、いわば24時間血糖値をモニターしているということになります。

このデータを外部装置が読み取り、糖分値が高くなると、シートの中に入っているインシュリンを、極細の針から体内に注射する指令が出るようです。この針は非常に細いものが何本もあり、それが皮膚に入るためほとんど痛みもないとされています。つまり血糖値に応じて、必要な量のインシュリンを投与することが可能となり、この電子皮膚を装着した患者さんは、痛みもなく知らないうちに処置されているということになります。

この電子皮膚がどの程度の期間装着可能かとか、インシュリンの補充をどうするのかなど、まだ課題はあるようですが、新しい治療用電子機器としては有望のような気がします。