少し前ですが京都大学生態学研究センターの研究グループが、草刈り由来の雑草の臭いを暴露すると、その後ダイズの防衛能力が向上することを発表しました。
またその種子のイソフラボン量も増加してくるそうです。植物というと害虫に食べられたりしても、単に静かに耐えているだけという気がしていましたが、実際は臭いという揮発性化学物質を介して、一種のコミュニケーションをとっているようです。
かなり前1990年代に、植物は虫に食べられると、葉が香りを出して天敵を呼ぶという研究が発表されましたが、あまり注目されませんでした。しかし2000年からこの科学的検証が再開され始めました。
例えばキャベツや植物の実験ではよく使われるシロイヌナズナにコナガの幼虫がやってきて、その葉っぱを食べると、葉からコナガの幼虫の天敵を誘引する特別な香りを出すようです。この香りをかぎつけて寄生蜂がやってきて、コナガの幼虫に卵を産み付け殺してしまうことが明らかにされました。
これは植物と動物のコミュニケーションですが、今回の実験は植物どうしにもこれがあることを証明したようです。このような実験はほとんど実験室内の限られた空間で行われていましたが、今回の京都大学のグループは野外での実験を行いました。
ダイズの畑の中にセイダカアワダチソウを裁断してネットに入れたものを設置しました。ダイズの生育初期の2〜3週間のみこの臭いに触れさせるという実験を行いました。この結果成長期の時点で、未処理区に比べて処理区では葉の被害が少なく、また収穫時の害虫によるダイズ種子の被害も減ったということです。
したがって短期間の草刈り由来の臭いの経験が、その後のダイズ株の生育・繁殖に影響していると考えられます。さらに収穫したダイズ豆中のイソフラボン類の量が増加していることもわかりました。
これは植物間コミュニケーションが、同世代固体ばかりでなく次の世代にも影響していることが示唆されたようです。この臭い・香り物質がなんであるかとか、植物はどうやってこの香り物質を認識するのかなどはわかっていませんが、面白い結果であると言えそうです。
私はこのブログにも書きましたが、どうも植物は周りの環境を察知して、発芽するかどうかを決めたりと面白い現象があるような気がしています。これが揮発性低分子という、ごく微量の化学物質によって制御されているのであれば、全く新しいメカニズムによる農薬の開発につながりそうな気がします。
これは相当先の話ですが、植物のコミュニケーションがこういった物質を介して行われているというのは、本当に面白い発見のような気がします。
またその種子のイソフラボン量も増加してくるそうです。植物というと害虫に食べられたりしても、単に静かに耐えているだけという気がしていましたが、実際は臭いという揮発性化学物質を介して、一種のコミュニケーションをとっているようです。
かなり前1990年代に、植物は虫に食べられると、葉が香りを出して天敵を呼ぶという研究が発表されましたが、あまり注目されませんでした。しかし2000年からこの科学的検証が再開され始めました。
例えばキャベツや植物の実験ではよく使われるシロイヌナズナにコナガの幼虫がやってきて、その葉っぱを食べると、葉からコナガの幼虫の天敵を誘引する特別な香りを出すようです。この香りをかぎつけて寄生蜂がやってきて、コナガの幼虫に卵を産み付け殺してしまうことが明らかにされました。
これは植物と動物のコミュニケーションですが、今回の実験は植物どうしにもこれがあることを証明したようです。このような実験はほとんど実験室内の限られた空間で行われていましたが、今回の京都大学のグループは野外での実験を行いました。
ダイズの畑の中にセイダカアワダチソウを裁断してネットに入れたものを設置しました。ダイズの生育初期の2〜3週間のみこの臭いに触れさせるという実験を行いました。この結果成長期の時点で、未処理区に比べて処理区では葉の被害が少なく、また収穫時の害虫によるダイズ種子の被害も減ったということです。
したがって短期間の草刈り由来の臭いの経験が、その後のダイズ株の生育・繁殖に影響していると考えられます。さらに収穫したダイズ豆中のイソフラボン類の量が増加していることもわかりました。
これは植物間コミュニケーションが、同世代固体ばかりでなく次の世代にも影響していることが示唆されたようです。この臭い・香り物質がなんであるかとか、植物はどうやってこの香り物質を認識するのかなどはわかっていませんが、面白い結果であると言えそうです。
私はこのブログにも書きましたが、どうも植物は周りの環境を察知して、発芽するかどうかを決めたりと面白い現象があるような気がしています。これが揮発性低分子という、ごく微量の化学物質によって制御されているのであれば、全く新しいメカニズムによる農薬の開発につながりそうな気がします。
これは相当先の話ですが、植物のコミュニケーションがこういった物質を介して行われているというのは、本当に面白い発見のような気がします。