ごっとさんのブログ

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気管支喘息発症の原因解明

2018-04-01 10:45:15 | 健康・医療
東北大学の研究グループは、気管支喘息(アレルギー喘息)の原因が「2型自然リンパ球」というリンパ球の活性化であることが明らかになったと発表しました。

気管支喘息を含むアレルギー疾患の新たな治療法開発につながる可能性があるとしています。私も気管支喘息の持病があり、毎日吸入薬を使用しています。

これは抗炎症のステロイドと気管支拡張剤ですが、これで咳が出たり発作が出ていませんので、まあ満足しています。しかしこの薬はあくまで対症療法であり、喘息を根本的に治すものではありません。

これまでアレルギー疾患の治療で注目されていたのは、アレルギー反応の制御やほかの免疫細胞の活性化に関係する免疫細胞「T細胞」でしたが、研究グループはこの細胞の表面にあらわれる「GITR」というタンパク質が、2型自然リンパ球にも存在することを発見しました。

このGITRが2型自然リンパ球を活性化することを明らかにしました。2型自然リンパ球は、気管支喘息が起きるときに最初に活性化する免疫細胞で、これが活性化しなければアレルギー反応は起こらないようです。

そこで研究グループがGITRを持たないマウスに薬剤で気管支喘息を誘発する実験を行ったところ、自然リンパ球は活性化せずマウスは喘息を起こしませんでした。また研究グループが開発したGITRを阻害する物質をマウスに投与した場合も、マウスは喘息を起こしませんでした。

このGITRを阻害する化合物というのがどういうものかは全く触れていませんが、タンパク質を阻害する低分子化合物であれば、治療薬となりうるような気もします。

但し活性を阻害するということと、活性化したリンパ球を抑えるというのは別な作用ですので、治療薬というよりは予防薬になるのかもしれません。それでもこれにより気管支喘息を引き起こしているのは、GITRで活性化したリンパ球であることが明らかになりました。

この結果は、気管支喘息を含むアレルギー疾患の治療法、アレルギー治療薬の開発につながる可能性が期待されています。

この研究では気管支喘息の試験だけをしているようですが、このメカニズムはその他のアレルギー疾患全体に共通しているようですので、現在良い治療法がないようなアレルギーに対してもこういった阻害薬が効果を示すのかどうかぜひ試してほしい気がします。