順天堂大学などの研究チームが、細胞内で不要なタンパク質などを分解、再利用する「オートファジー」(自食作用)の障害が、パーキンソン病の発症に関連していることをマウスの実験で確認しました。
このことはパーキンソン病の予防や治療法開発に役立つ可能性があると期待されています。
パーキンソン病は神経伝達物質であるドーパミンを作り出す神経細胞内に、「レビー小体」と呼ばれるタンパク質の固まりがたまり、手足が震えたり動作が遅くなったりする難病です。高齢化に伴って患者が増え、厚生労働省の調査では65歳以上の100人に1人が発症しているとされています。
順天堂大学の研究チームは、遺伝子操作技術を使いドーパミン神経細胞でのみオートファジーが働かなくなるマウスを作製しました。運動機能の変化などを観察した結果、若年期には異常はないが、老年期に当たる生後2年半前後で、足を引きずる等パーキンソン病特有の症状が現れました。
オートファジーは東京工業大学の大隅先生が、この仕組みや関連遺伝子を解明した功績で2016年ノーベル医学生理学賞を受賞され注目されました。オートファジーは細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つで、自食作用とも呼ばれています。
酵母から人に至るまでの真核生物に見られる機構であり、細胞内でも異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成した時や栄養環境が悪化した時にタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原菌を排除することで生体の恒常性維持に関与しています。
すでにハンチントン病などの疾病の発生や、細胞のガン化抑制にも関与することが知られています。このメカニズムに関しては、大隅先生の基礎研究から始まり、今ではその大部分の遺伝子も同定され詳しく解析されています。
さてこの研究では、神経細胞を調べたところ、オートファジーがないマウスは若年期から、タンパク質「p62」の固まりがたまっていました。老化につれてp62を核に「シヌクレイン」と呼ばれる別のタンパク質が次第に沈着し、レビー小体が形成されパーキンソン病の症状が出ることが分かりました。
このようにパーキンソン病とオートファジーの関連は明らかになりましたが、この結果を治療に結びつけるには大きな壁がありそうです。オートファジー自体は非常に研究が進んでいますが、すべての細胞が持っている機構ですので脳内の活性だけを強めることは難しいような気もします。
今後これがどういった展開を見せるのか面白い段階といえるのかもしれません。
このことはパーキンソン病の予防や治療法開発に役立つ可能性があると期待されています。
パーキンソン病は神経伝達物質であるドーパミンを作り出す神経細胞内に、「レビー小体」と呼ばれるタンパク質の固まりがたまり、手足が震えたり動作が遅くなったりする難病です。高齢化に伴って患者が増え、厚生労働省の調査では65歳以上の100人に1人が発症しているとされています。
順天堂大学の研究チームは、遺伝子操作技術を使いドーパミン神経細胞でのみオートファジーが働かなくなるマウスを作製しました。運動機能の変化などを観察した結果、若年期には異常はないが、老年期に当たる生後2年半前後で、足を引きずる等パーキンソン病特有の症状が現れました。
オートファジーは東京工業大学の大隅先生が、この仕組みや関連遺伝子を解明した功績で2016年ノーベル医学生理学賞を受賞され注目されました。オートファジーは細胞が持っている、細胞内のタンパク質を分解するための仕組みの一つで、自食作用とも呼ばれています。
酵母から人に至るまでの真核生物に見られる機構であり、細胞内でも異常なタンパク質の蓄積を防いだり、過剰にタンパク質合成した時や栄養環境が悪化した時にタンパク質のリサイクルを行ったり、細胞質内に侵入した病原菌を排除することで生体の恒常性維持に関与しています。
すでにハンチントン病などの疾病の発生や、細胞のガン化抑制にも関与することが知られています。このメカニズムに関しては、大隅先生の基礎研究から始まり、今ではその大部分の遺伝子も同定され詳しく解析されています。
さてこの研究では、神経細胞を調べたところ、オートファジーがないマウスは若年期から、タンパク質「p62」の固まりがたまっていました。老化につれてp62を核に「シヌクレイン」と呼ばれる別のタンパク質が次第に沈着し、レビー小体が形成されパーキンソン病の症状が出ることが分かりました。
このようにパーキンソン病とオートファジーの関連は明らかになりましたが、この結果を治療に結びつけるには大きな壁がありそうです。オートファジー自体は非常に研究が進んでいますが、すべての細胞が持っている機構ですので脳内の活性だけを強めることは難しいような気もします。
今後これがどういった展開を見せるのか面白い段階といえるのかもしれません。