前回有機合成実験として、A+B→C+(D)という反応をする準備として、反応容器と使用する溶媒、原料のモル比、反応温度などについて書きました。
ここで反応温度について補足します。反応の多くは若干の発熱を伴うことが多くなっていますが、通常は問題はありません(空冷という何もしません)。
ただごく稀に急激に温度が上がることがあり、この場合は怪しいと思ったら逃げるのが原則です。隣の部屋から覗く程度で、何もしないということになっています。最悪は爆発しますが、フラスコが割れることは無く、つけてある温度計や冷却管が吹き飛ぶ程度です。
私は30年以上やっていましたが、爆発まで行ったのは多分2回だけですので、通常は全く問題ありません。現在はこういった反応実験は必ずドラフト内でやることになっていますので、安全性は十分と思っています。
反応速度は、温度が10度上がると2倍になるとされています。ですからある程度温めた方が良いのですが、温度が高いと目的とする反応以外の副反応も増えてしまいます。こういう点を考慮すると、何もしない室温でまずやってみるというのが基本となるわけです。
最後に反応時間ですが、これは原料であるAがなくなるまでやりますので、前もって決めておくことはできません。現在は反応液の分析法として、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)や簡便なTLCという方法がありますので、かなり正確に反応状態をつかむことができます。
例えば朝から反応をはじめ、夕方になっても若干原料が残るような場合はこのまま次の日まで反応させます。これを終夜(Over Night、ON)反応と記載しますが、有機化学の論文ではrt(室温)、ONはかなり多くなります。
このrtというのも夏は冷房が切れて30℃ぐらいになったり、冬は暖房が切れて10℃以下になったりと、かなり温度は変化するのですが室温という記載でよいことになっています。
またONも朝から次の日では24時間ぐらいですが、夜はじめて次の朝だと12時間もたたないこともありますが、いずれもONでよいことになっています。この辺りが有機化学は厳密な化学ではないといわれるところです。
また若干原料が残る場合に、長く反応させず試薬であるBを添加する時もありますが、この辺りは研究者の好みに任されています。
さてこの様にして原料が無くなると、反応終了となり目的物Cを取り出す作業となります。この時の反応液中には前に書きましたように、CとDだけということはまずありません。過剰に加えたBや少量のAのほかに何種類かの副反応生成物が混ざってしまいます。
この混合物の中からいかに簡単にCを取り出すかが研究者の腕の見せ所で、有機化学が「精製の化学」といわれる所以です。もう少し続きます。
ここで反応温度について補足します。反応の多くは若干の発熱を伴うことが多くなっていますが、通常は問題はありません(空冷という何もしません)。
ただごく稀に急激に温度が上がることがあり、この場合は怪しいと思ったら逃げるのが原則です。隣の部屋から覗く程度で、何もしないということになっています。最悪は爆発しますが、フラスコが割れることは無く、つけてある温度計や冷却管が吹き飛ぶ程度です。
私は30年以上やっていましたが、爆発まで行ったのは多分2回だけですので、通常は全く問題ありません。現在はこういった反応実験は必ずドラフト内でやることになっていますので、安全性は十分と思っています。
反応速度は、温度が10度上がると2倍になるとされています。ですからある程度温めた方が良いのですが、温度が高いと目的とする反応以外の副反応も増えてしまいます。こういう点を考慮すると、何もしない室温でまずやってみるというのが基本となるわけです。
最後に反応時間ですが、これは原料であるAがなくなるまでやりますので、前もって決めておくことはできません。現在は反応液の分析法として、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)や簡便なTLCという方法がありますので、かなり正確に反応状態をつかむことができます。
例えば朝から反応をはじめ、夕方になっても若干原料が残るような場合はこのまま次の日まで反応させます。これを終夜(Over Night、ON)反応と記載しますが、有機化学の論文ではrt(室温)、ONはかなり多くなります。
このrtというのも夏は冷房が切れて30℃ぐらいになったり、冬は暖房が切れて10℃以下になったりと、かなり温度は変化するのですが室温という記載でよいことになっています。
またONも朝から次の日では24時間ぐらいですが、夜はじめて次の朝だと12時間もたたないこともありますが、いずれもONでよいことになっています。この辺りが有機化学は厳密な化学ではないといわれるところです。
また若干原料が残る場合に、長く反応させず試薬であるBを添加する時もありますが、この辺りは研究者の好みに任されています。
さてこの様にして原料が無くなると、反応終了となり目的物Cを取り出す作業となります。この時の反応液中には前に書きましたように、CとDだけということはまずありません。過剰に加えたBや少量のAのほかに何種類かの副反応生成物が混ざってしまいます。
この混合物の中からいかに簡単にCを取り出すかが研究者の腕の見せ所で、有機化学が「精製の化学」といわれる所以です。もう少し続きます。