ごっとさんのブログ

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睡眠不足はワクチンの効果も下げる

2020-07-20 10:29:16 | 健康・医療
このブログでは睡眠についてよく取り上げていますが、私の健康の基本は睡眠と食事にあると考えています。

日本人は睡眠時間が短いことで知られていますが、最近の調査ではついに韓国を抜いて睡眠時間が最も短い国となったようです。

睡眠不足は免疫力を下げるだけでなく、肥満の原因にもなりさらにワクチンの効果も薄まるという研究が発表されました。人は眠りにつくとその日の睡眠中最も深い眠りに入り、その後浅いに眠りと深い眠りを4,5サイクルくり返して朝を迎えます。

この最初の深い眠りのタイミングで成長ホルモンが分泌され、眠りが浅くなる後半に分泌されるのがコルチゾールです。眠りの前半部分で増大しているのがメラトニンで、これは強力な抗酸化作用があるので、分泌が抑制されると身体の酸化が進み、ガンや老化を早めるリスクが高まります。

睡眠不足で偏桃体が過活動になると不安が増して人は眠れなくなります。寝つきが悪くなるだけでなく、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒、必要以上に早く目が覚めてしまう早朝覚醒といった睡眠障害にも陥りやすいとされています。

ですから睡眠不足でよく眠れるではなく、「眠りの量が減る=眠りの質が落ちる」ということになるようです。睡眠と免疫の関係を見た研究は、非常に多く行われています。

被験者にライノウイルスという風邪のウイルスを含んだ点鼻薬を投与するというやや乱暴な実験があります。7時間以上睡眠をとっている人は罹患率が17.2%に対して、5時間未満の睡眠時間の人は45.2%と2.6倍の罹患率になりました。

またワクチンを投与してどのくらい抗体ができたかという研究もあります。詳細は省略しますが、睡眠時間8時間のグループと4時間のグループでは、前者の方が明らかに多くの抗体を作り出せることが分かりました。

白血球やリンパ球は夜間作られ、睡眠不足の場合はこれらの免疫細胞の機能が低下して、抗体が作り難くなったと考えられるようです。

風邪をひいた時、あるいは風邪をひきそうな予感がするとき、ほとんどの人は普段より長時間眠ることを選びます。どんな薬より睡眠が有効であることが自然と体に染みついているのかもしれません。

このように睡眠と免疫が密接に関係することは分かっていても、日本人は短時間睡眠で、今話題の睡眠負債が溜まっているのかもしれません。私も若いころは午前1時に寝て、7時に起きるという生活をしていました(平日はですが)。

どうもこういった生活リズムが日本人には定着しているような気がします。それでも今回の新型コロナでは、世界に比較して死亡者数が非常に少なく、一部には免疫力が強いからなどという説もあるようです。

それでも何とかして十分な睡眠時間を確保することが、働く日本人の大きな課題なのかもしれません。