ごっとさんのブログ

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面白いアリの世界

2017-03-09 10:35:03 | 自然
前回アリの話で、卵や幼虫などを世話する働きアリは、24時間働き続けることを書きました。

その後もアリについてはいろいろ興味があったのですが、アリ社会についての面白い記事を見つけましたので、ここで紹介します。

昆虫は世界で100万種以上が知られていますが、まだまだ未知のものも多く数倍は存在すると考えられています。このうち2万種がアリとされ、人間が思いつくような行動や文化的な活動は大体が昆虫のどれかが行っているようです。

アリはもともとはハチの仲間で、翅を失って歩行という手段で多くの生育環境に適応したものです。私の家では外の猫にもエサをやっているのですが、食べ残したエサに本当に短い間にアリがやってきて黒く見えるほどになります。まだ活動時期ではないようですが、そろそろアリ対策を考える季節も近づいてきました。

さてアリには農業する種類があり、ハキリアリというのが典型とされています。このアリは植物の葉を切り取り、巣の中に運び込んで葉をかみ砕いて発酵させるのです。そこに菌を植え出てきたキノコのようなものをエサにしています。

この菌床に他の雑菌が繁殖しないように、体に共生する菌が作り出す抗生物質のようなものをまき、餌となる菌だけが育つようにしていると言います。

余談ですがキノコというのは非常に消化性が悪く、人間はほとんど消化分解できないようです。赤ちゃんが調理した小さなキノコを丸呑みすると、その形のまま便に出てくるようです。キノコはこのように非常に消化されにくいものですので、たぶんハキリアリは腸内に共生する細菌によって消化しているのかもしれません。このように巣の中に菌床を作り、キノコを栽培するというのは農業そのものといえます。

次が牧畜をするミツバアリのはなしです。このアリは巣の中にほとんど動かないアリノタカラというカイガラムシのなかまを飼っています。さすがにこのアリノタカラに餌を運んでおらず、巣の中にある木の根の汁を吸って生きているようです。

植物の根は非常に栄養が豊富で、アリノタカラは余分な栄養分特に糖分を排泄し、ミツバアリはこれを唯一の栄養源として生活しています。アリノタカラはミツバアリの巣の中でしか生きることができず、危険が迫るとアリに運んでもらうという完全な共生関係が出来上がっているようです。

面白いことに女王アリが新たに巣を作ろうとするときは、このアリノタカラを嫁入り道具のように運んでいくといいます。その他ほかの種類のアリの巣から蛹を奪ってきて、かえったアリを奴隷のように使うアリとか、アリ社会はまるで人間社会を見るような面白さがあるようです。

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