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病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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病気を治すのは薬ではなく自分自身

2022-04-01 10:25:07 | 健康・医療

今回のタイトルは、私のブログの表題の下に書いてあるサブタイトルです。

あまり目立ちませんが、私がブログを書いてみようと思ったときの基本的な考え方が「病気を治すのは薬ではなく自分自身」というものでした。これは30年近く薬の勉強をして、新薬を作り出す仕事をしてきた私の実感といえます。

現在はおそらく何万という薬が開発され実際に使用されていますが、その大部分は対症療法となっています。つまり症状を緩和するものであって病気を根本から治すものではありません。

例えば身体の内外に傷ができてひどい痛みが出る場合は、鎮痛薬が処方されますが、これは単に痛みを抑えるだけであり、身体の傷を治すのは患者本人の治癒力です。

また身体のどこかに炎症ができて熱が出た場合でも、処方される薬は解熱消炎剤であり、何が原因でどこに炎症ができたのかも突き止めません。

このように血圧が上がれば降圧剤、糖尿病になれば血糖値を下げる薬という具合で、なぜそのような症状が出るようになったかまで考えて処方する薬はほとんどないといってよい状態です。

薬で症状を和らげている間に、自分自身の治癒能力で根本原因を治すというのが現在の医療といってよいのかもしれません。ところが中年まではこの医療でも十分完治しますが、高齢になるとそれほど簡単ではありません。

高齢者の体調は個人差が非常に大きく、80歳を過ぎても何の異常のもなく元気な人もいれば、高齢者のくくりになる65歳以前から身体の不調を訴える人もいます。私はこの差が何で起きるのかに興味があるのですが、残念ながらこの点に関しての科学的な調査研究は実質的に困難なようです。

若いころからの運動や健康意識などと言われていますが、それほど簡単なことではなくこういったことには科学的な根拠は何もないと言えるようです。

さて高齢者の薬を考えると、医療機関で処方される薬と年齢の関係を示した厚生労働省のデータがあります。1か月に調剤薬局を通じて受け取る薬の種類が40代以降は増える傾向にあり、65歳以上の約15%が5〜6種類、75歳以上の約25%が7種類以上の薬を服用しています。

これは薬の副作用によって新たな薬が出されるといった、悪循環が重なって薬は増えていくのかもしれません。薬の副作用は予想外のところにも表れます。

例えば年寄りが大好きな湿布薬がありますが、最近の湿布薬には鎮痛成分が含まれています。これが吸収されると鎮痛薬でよく出現する副作用である胃を荒らすという症状が出てくることがあるようです。

結局胃薬の処方が追加され、ますます薬の種類が増えるという結果となってしまいます。私はどんな薬であれリスクを伴うと考えていますが、その辺りは次回とします。
 


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