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生物はいつ羽毛を獲得したのか

2019-01-07 10:06:07 | 自然
寒くなりダウンジャケットを着た人を見かけるようになってきましたが、我々ヒトにはほとんど体毛がないため、衣服の助けを借りざるを得ません。

ダウンとは主にガチョウの羽毛で、鳥類や哺乳類にはこうした羽毛や体毛が生えていることがほとんどです。生物進化の過程でいつ羽毛や体毛が出現したのか、未だに議論が続いているようです。

空を飛ぶ爬虫類の翼竜にも羽毛があったという論文が出ましたが、この化石はジュラ紀(1億6000万年前)のもののようです。しかしすでに現在の鳥類に似た構造を持つ生物は、ジュラ紀の前の三畳紀(2億3700万年前)に出現していました。

ロンギスクアマという絶滅した爬虫類の仲間で、翼を使って空を飛んだ最初の脊椎動物と主張する研究者もいて、古生物学者の間ではこの羽根のような構造物とその機能について議論になっています。

恐竜にも羽毛が生えていたという事実はすでに広く知られていますが、現在の鳥類に進化したと考えられている獣脚類の化石に羽毛の痕跡が多く確認されています。恐竜の羽毛ではモフモフしているものもあり、また同じ種類の恐竜でも羽毛型とウロコ型がいたとされています。

脊椎動物の進化で歯については、魚類の祖先が現れたかなり早い時期(4億2000万年前)に備わったと考えられています。しかし魚類のウロコとは別の、外皮に生える羽毛や体毛の起源はいつ頃かはよく分かっていません。

羽毛は恐竜から鳥類へ、体毛は哺乳類の祖先から連綿と受け継がれてきました。有性生殖で受精して生命が発生すると、卵生胎生に関係なく各器官を形成する細胞と同じ遺伝子の調節過程をたどって羽毛や体毛、ウロコになります。

鳥類は身体に羽毛が生えますが、脚はウロコに覆われる種がほとんどで、羽毛型とウロコ型がいたジュラ紀の恐竜とのつながりも示唆されます。

ヒトの場合、胎児には受精後5か月くらいで全身に毳毛(ぜいもう)という産毛が生え始めますが、主産前までに頭皮以外ほとんど抜け落ちます。哺乳類の発生過程の場合、外皮にある皮膚腺と発毛させる毛包という器官に関係があり、遺伝子のシグナル伝達が関与しています。

しかし別々の器官である皮膚腺と毛包の発生が、発生の過程でどのように重なり合うようになるのかもまだよく分かっていません。私もこのあたりはよく理解できませんが、進化とは不思議なものです。

ヒトが裸になったのは内界を変えずに外界を変えようとしてきたからともいえるそうです。羽毛や体毛の機能やヒトが体毛を失った理由には、何か深い意味があるのかもしれません。

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