ごっとさんのブログ

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コロナ重症化を予防する「抗体カクテル療法」

2021-09-16 10:37:10 | 
コロナの感染者数は5000人を超えたことがあると、1000人台でも収束したかのような気がします(東京)。

これからどうなるのかは不透明ですが、重症化を予防すると期待されている「抗体カクテル療法」が実施され始めました。アメリカのトランプ大統領が感染した時、未承認でも使用し早く回復したという噂があります。

これは新型コロナウイルスの活性を抑える(中和する)作用を持つ2種類の抗体が組み合わされています。この抗体は新型コロナウイルスの表面にある突起状のタンパク質のうち、ヒトの細胞と結合する部位に対する抗体で、ウイルスの増殖を抑え、重症化を防ぐとみられています。

米国などで実施された臨床試験では、投与を受けた感染者736人のうち入院が必要になったり重症化した人は7人(1.0%)だったのに対し、プラセボの投与を受けた感染者748人では24人(3.2%)で、重症化リスクを減らす効果は70.4%と判断されました。

臨床試験の対象となったのは、持病があるなどして重症化リスクの高い感染者だけでしたが、当然リスクの低い人にも効果はあると考えられます。現在のところ酸素が必要になってしまったような重い中等症や重症患者は効果が期待できないとして対象外となています。

厚生労働省のコロナ感染症の「診療の手引き」では、対象となる重症化リスクある感染者を、65歳以上の高齢者や2型糖尿病、慢性閉そく性肺疾患、ガンなどの疾患を持つ人、BMI30以上の人、妊娠後期の妊婦などとしています。

感染後なるべく早い時期の投与が望ましく、症状が出始めて8日以上たった人は効果が確認されておらず対象外となっています。この薬は約30分かけて静脈に点滴しますので、当初は入院患者が対象でしたが、今は宿泊療養施設や臨時投与施設でも投与できるようになりました。

問題は全国にいる自宅療養の感染者は12万人以上になっていますが、この患者たちには投与できないところです。この抗体カクテル療法は感染初期の治療法としては素晴らしいものと言えますが、問題はその価格です。

現在はすべて無料、公費で賄っていますが、将来的に自費となる可能性もあります。これはあまり情報がないのですが、ドイツがこの薬の20万回分を500億円で購入したという記事がありました。

単純計算で1回25万円となり、抗体医薬である以上やむを得ないのですが、かなり高価な薬と言えます。やはり感染症のように多くの人がかかる病気であれば、その治療薬はインフルエンザのタミフルのように、安価で自宅で飲める薬の開発が必要な気もしています。

それでもこの薬を使うことによって重症化が防げるのであれば、ワクチンと共に新たな武器が増えたといえそうです。


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