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AIによる医療診断が進展

2019-01-03 10:31:18 | 健康・医療
ガンなどの病変の見落としが相次いでおり、昨年も千葉大学病院で画像診断ミスにより患者2人のガン発見が遅れ、死亡していたことが発覚したりしています。

こういった医療ミスを減らすためにAI(人工知能)に期待が集まっています。

AIによる医療診断は、1.画像を読み取り病気かを判断する、2.過去のデータから病気リスクを検知する、3.どういった治療をするかを判断する、という3つのジャンルに分かれます。

とりわけ進化が早いのが1.の画像診断です。20年前までは心電図でさえ、専門の解析医がいないと正しい判断ができないとされていましたが、現在では心電図測定技術が進歩し、医学知識があれば正しい判定ができるようになっています。

こういった進歩が画像全体に広がり、CTやMRIなど複雑な画像が得られるようになってきました。こういったCTやX線などの画像診断ではAIが浸透すると考えられています。

学習に使えるデータが多ければ、写った腫瘍を見分けるといった正解のある問いがAIでは最も得意な分野と言えるからです。

政府も2019年度予算などでAI関連予算を1000億円確保し、前年度から倍増させると見られています。こういった政策的な追い風もあり、システム開発・導入が次々と進んでいます。

広島大学病院は、胸部・腹部の臓器や大動脈などのCT画像診断の支援にAIを用いるシステムの導入を進めています。実用化時期は未定のようですが、画像の仕分けや文献からの似た症状を探すなどの医師の作業時間が、6分の1に短縮できる可能性があるようです。

肺ガンの見落としが減ったり、大動脈のCT画像で血栓が見つかれば、脳卒中を防げる可能性もあります。福岡の小倉記念病院は医療機器メーカーと共同研究で、動脈のつまりがないかをAIが診断するシステムの開発に乗り出し、心筋梗塞などの診断迅速化を目指しています。

ガンの確定診断などのための病理診断でもAI導入の取り組みが進んでいます。この病理診断は、患部から採取した細胞を専門医が顕微鏡で正常かガン化しているかを判定する非常に重要な判断です。

広島大学は2018年、専門家によるデータ解釈をAIに学習させる民間企業と共同研究で、病理診断支援のAI開発も始めています。AIが深層学習をするための様々なバリエーションの病理標本を提供し、AIが高い診断能力を持つようになれば、病理医の判断作業は迅速化され、精度が上がると期待されています。

人間だから生じてしまうミスを減らすためにも、こういったAIによる支援は有効な手段と言えるでしょう。解決すべき課題は多いようですが、早い取り組みを望んでいます。

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