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アメリカの医師が認めるムダな医療

2019-12-22 10:19:50 | 健康・医療
アメリカでは医療界が率先して無駄な医療を減らそうとする動きが起きています。

それが「賢い選択、CW」キャンペーンで、2012年医師らで構成する非営利組織、米国内科専門医認定機構財団が中心となり、不必要と思われる医療行為のリストを作成してインターネットに公表しました。

アメリカでは学会などの有力者の考えで医療の方向性が左右されていた時代から、「根拠に基づく医療」へと医療現場の考え方そのものが劇的に変わりつつあることが大きく影響しました。

CWは全米に広がり、現在は100万人以上の臨床医が所属する80以上の医学会がキャンペーンに参加しています。医師だけではなく、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師などの医療従事者全体へと広がりを見せています。

彼らが掲げるムダな医療行為は、例えばCT検査を上げています。日本はCTの装置が異様に多い国ですが、CWでは胸部X線検査に比べると被ばく量が多く、腹痛や子供の虫垂炎、ガン検診ではむやみに行わないことを推奨しています。

本当に必要なケースでなければ、メリットよりもデメリットが上回る医療とされています。またウイルス感染症に抗菌薬というような処方は耐性菌などのデメリットがあるうえ、効果は全くなく、手術の切り傷や急性副鼻腔炎などでも抗菌薬は推奨されていません。

こうした無駄な医療はなぜ生まれるかについては、医師と患者の認識の差に問題があるとしています。患者側は現在の医療が厳格で科学的に行われていると思い込み過ぎており、医療側は新しいエビデンスやデータよりも自分の経験の方が勝っていると思い込みがちです。

そのため漫然とした医療行為が自身の経験のみに基づいて継続され、患者側も医療を盲信して疑問を持たないことが多いとしています。

ここでは無駄な医療とされる例を非常に多くあげていますが、例えば膝関節症にコンドロイチンなどを使わないといった、素人の私でもそんな医療はおかしいと感じるものがほとんどでした。

ただ頭痛では脳波を測定しないといったことは、詳しい診断という点では必ずしも無駄ではないような気もします。たた現代の医療が測定機器に頼りすぎていることは確かで、何か症状を訴えるととりあえず検査をするという風潮は日本でもあるようです。

医師によっては患者の身体に触ることもせず、検査結果を見るだけで診断するといった傾向があります。

本来ならば詳しい問診を繰り返すことによって原因を探るべきなのに、時間の問題なのか分かりませんが、診断がつかないとさらに検査をする、または適当な薬を処方して様子を見るという医師が多いように感じます。

医療側からの無駄なことを取り上げる試みは、日本でもやって欲しいことと言えそうです。


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