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誤嚥性肺炎の予防とケア

2019-02-18 10:29:18 | 健康・医療
高齢者が亡くなる代表的な原因が肺炎で、その中でも7割ほどを占めるとされる誤嚥性肺炎を防ぎ、長生きにつなげようという考えが広まりつつあります。

誤嚥性肺炎は、ものを飲み込む力の落ちた人で確認された肺炎と定義されます。何らかの形で誤って肺に入ってしまった細菌が原因になりやすいようです。飲み込む力を高めることが予防につながるとして、のどの筋肉を鍛えようとする一般向けの情報はたくさんあります。

しかし喉を鍛えることと誤嚥性肺炎を防ぐことは異なっているようです。肺炎につながる誤嚥は、食事中よりも就寝中など無意識のうちに起こることが多く、のどの筋肉を鍛えるだけでは防げません。

たとえ細菌が肺入っても、咳をして細菌を体外に追い出すことができたり、菌をやっつける抵抗力が体にあれば肺炎にはなりません。誤嚥性肺炎は、飲み込みに関わる神経が脳梗塞などで障害を受けるとリスクが大きく高まります。

比較的元気なうちは、脳梗塞を招きやすい喫煙や高血圧などを避け、全身の体力を維持しておくことが誤嚥性肺炎の予防にも重要になります。ふだんから口腔ケアをして口の中の細菌を減らしておくことも大切です。

人の鼻の中などに普段からいる肺炎球菌は、誤嚥性肺炎の原因になり、インフルエンザも高齢者では肺炎につながりやすくなります。いずれもワクチンを打つことでリスクを下げることができます。

症状は急に現れるというよりはじわじわと進みやすく、発熱もさほど高くならないことが多いようです。なんだか元気がない、食欲がないといった場合が要注意で、そんな状態で血液中の酸素レベルが下がっているようなら、肺炎を起こしている可能性が高いといいます。

症状が重くなり入院したら、しばらくはゆっくり寝ているのがいいと考えがちですが、これも誤解のようです。誤嚥性肺炎で入院して3日以内に身体を動かすリハビリを始めた人はそうでない人に比べ、院内で死亡するリスクが30%近く低くなります。

寝てばかりいては、全身の筋肉が落ちるサルコペニアになりやすくなり、体の抵抗力がさらに落ち、次の誤嚥性肺炎を招きやすくなります。

高血圧の治療薬のひとつACE阻害剤には、飲み込んだり咳をしたりする能力を改善する作用があります。誤嚥性肺炎を起こしほかのタイプの降圧剤を使っている人は、再発予防のためこの薬に替える方法もあるようです。

結局誤嚥性肺炎は、全身症状が低くなっている人がかかるようですが、繰り返し起こるような場合は治療しないという選択肢もあるようです。こうしてQOLを高めることで、終末期を迎えるのも良いような気がします。

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