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糖尿病の合併症「腎症」

2020-05-13 10:25:40 | 健康・医療
糖尿病の3大合併症は、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害となっています。

これらの合併症は一度発症すると治りませんが、早く発見し治療を行えば、進行を遅らせることができます。それができなかった場合、糖尿病性腎症は人工透析を、網膜症は失明を、神経障害は足の壊疽による切断を招き、人工透析や足切断は生命予後にも悪影響を及ぼします。

私の友人も腎症から現在透析を行っており、従妹は糖尿病に気づかないまま網膜症から失明してしまいました。友人は糖尿病の治療を行っていたのですが、徐々に悪化し腎症となってしまったようです。

これまで考えられてきた糖尿病と腎臓病の関係は次のようなものです。

まず血糖値のコントロールが悪い状態が続く→血管がダメージを受ける→腎臓の中の細い血管が丸まった糸球体が壊れ始め、タンパク質の一種であるアルブミンが微量に尿の中に漏れる→糸球体がどんどん壊れ、アルブミンが尿の中に漏れる量が増えるという過程です。

アルブミンが尿に漏れる量がある一定量を超えると、健康診断ではタンパク尿として検出され、腎機能の低下を疑います。検診ではクレアチニン値も腎機能のチェックに役立ちます。

クレアチニンは筋肉の老廃物で、糸球体によってろ過され尿に交じって体外に排出されますが、糸球体が壊れて腎機能が低下すると、血液中のクレアチニンが増加するのです。タンパク尿もクレアチニンも、異常が出てくるのは糸球体がある程度壊れてからです。

早期に腎機能を調べるには、健診に含まれない「尿中微量アルブミン検査」で、尿内にアルブミンが微量に漏れ出ていないかを診なければなりません。現在指摘されているのが「糖尿病性腎臓病(DKD)」で、糖尿病が部分的にでも関係する腎臓病と考えればいいようです。

従来は腎機能の低下=タンパク尿が出ている/クレアチニン値が高い/微量アルブミン値が高いだったのが、DKDでは微量アルブミンも尿たんぱくも出ていないが腎機能が悪いケースも出てきます。

その理由のひとつとして、糖尿病の治療が進んだことがあげられます。よく効く薬が登場し、血糖のコントロールは比較的うまくいくようになりました。

しかし腎機能の低下の原因になるのは糖尿病に限らず、代表的なものでは高血圧も腎臓にダメージを与えて腎機能低下のリスクを上げます。糖尿病の人は高血圧も併発している人が少なくありません。

糖尿病のコントロールはうまくいっているものの、高血圧があれば腎機能は低下し、タンパク尿が出ない場合も多いようです。

こうしてみると腎不全からの人工透析を防ぐためには、生活習慣病を予防することから始めるのかもしれません。


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