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糖尿病でガンのリスク増大

2019-09-13 10:21:19 | 健康・医療
糖尿病がガンのリスクを上げるという事は、糖尿病を診ている医師の間では広く知られていることのようです。

糖尿病とガンの関連について、2010年に米国糖尿病学会と米国癌学会がコンセンサスリポートを発表しました。その中では肝臓ガン、膵臓ガン。子宮内膜ガン、大腸ガンなどのリスク上昇に糖尿病(主に2型)が関連していると指摘しています。

ここでは健康的な食事、運動、体重コントロールは2型糖尿病を改善する、糖尿病患者は適切にガンのスクリーニングを受診するように医師は推奨すべきである、といったことを述べています。

これを受けて日本でも11~13年、5回にわたって糖尿病とガンとの関連について詳細に調査研究する委員会が開催されました。

この研究によると、糖尿病と診断されたことのある日本人において、何らかのがんを発症するリスクが男性で1.27倍、女性では1.21倍と結論付けています。これで本当にガンリスクが高まっているといえるのか微妙な数値のような気がします。

ガンの発症率が0.3%程度とすると1万人のうち30人がガンになり、糖尿病だとそれが37人になるという推定値です。ガンの種類別では、男性では胃ガン、大腸ガン、肝臓ガン、膵臓ガンなどのリスク上昇と糖尿病が関係しており、女性では胃ガン、肝臓ガンのリスク上昇と関連していました。

子宮内膜ガンと卵巣ガンは、統計的には有意ではなかったものの、リスク上昇と関連している傾向がありました。

ただ留意点として、糖尿病とガンの危険因子には共通するものがある、糖尿病患者は検査を受ける機会が多いためガンの発見率が上昇している可能性がある、膵臓ガンのようにガン発症によって糖尿病を発症しているものもある、などが上げられていました。

糖尿病がガンのリスクを上げる要因としては、肥満になることで血管内の傷を修復したり血管を拡張する働きがある「アディポネクチン」の分泌量が落ち、インスリンが正常に働かなくなるなどがあります。

また血液中のインスリンが通常よりも多い状態になり、それはやがて多くのガン細胞の増殖に対して重要な役割を果たすインスリン様増殖因子の活性を上げるなどが考えられるようです。

糖尿病の治療薬には、ガンを抑制する効果が期待されているものがあり、そのひとつがメトホルミンです。さらに2014年、新しいタイプの糖尿病治療薬「GLP-1受容体作動薬」が前立腺ガンの進行を抑えるのに役立つ可能性があると発表されました。

このメカニズムなどは省略しますが、糖尿病の患者は「糖尿病はガンとも関連しているため、適切な治療を受ける」と考え、積極的に薬を飲むなどの治療を受けた方が良いようです。


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