痛みはごく当たり前の感覚ですが、その背後にある神経回路の仕組みは完全には解明されていませんでした。
私は痛みは痛点というところがあり、例えば注射の時にそこに針が当たると非常に痛く、ほかの場所ではそれほど痛くない程度に思っていました。今回これまで知られていなかった新しい感覚器官が、皮膚の内部にあることが分かりました。
「侵害受容グリア・神経細胞複合体」と名付けられたこの構造は、心臓や脾臓のような複雑な臓器とは異なり、グリア細胞(膠細胞)という細胞が網状に並んだだけの単純な器官です。
グリア細胞は、神経細胞を取り巻きその働きを助けることが知られています。このブログでも脳のグリア細胞について紹介しています。
今回発見された器官では、皮膚の外側の層(表皮)と内側の層(真皮)の間にグリア細胞によるネットワークが形成され、そこから細い繊維のような突起が外側の層に伸びています。
発表された研究によれば、この単純な器官が、皮膚を圧迫したり刺したりする刺激によって起こる痛みを知覚するときに、重要な役割を果たしているようです。これまでは「侵害受容線維」と呼ばれる神経細胞が、この種の痛みの主な出発点と考えられていました。
今回の研究を行ったカロリンスカ研究所のチームは、100年もの間痛みは皮膚内の神経で感知されると考えられてきましたが、グリア細胞も痛みの出発点である可能性を示しました。
研究チームは最初にマウスでこの新たな器官を特定し、さまざまな痛みに対するマウスの反応を測定することで、その機能を調べました。遺伝子編集技術を用いて同器官の細胞の働きを抑制したところ、マウスは熱痛、つまり熱さや冷たさによる痛みに対しては正常な反応を示しました。
しかし圧迫や刺すといった「機械的な刺激」による痛みに対しては、グリア・神経細胞複合体が不活性化されたすべてのマウスで、反応の低下がみられました。この発見によって、痛みがどのように発生し増大するのかについて、少なくともマウスに関しては考えを改めることになりそうです。
この器官が人間にも存在するかはまだ確認されていませんが、可能性は高いと判断できるようです。人間にも存在すれば、米国の全人口の10%、欧州では7~10%が患っているさまざまな神経障害性疼痛の治療に役立つかもしれないと述べています。
例えば、この細胞ネットワークの働きを抑える方法が見つかれば、軽く触れただけで強い痛みを感じる「アロディニア」に悩む患者を救うことになりそうです。
どうも具体的にイメージしにくいのですが、痛みを感じるという事はかなり複雑な機構なのかもしれません。
私は痛みは痛点というところがあり、例えば注射の時にそこに針が当たると非常に痛く、ほかの場所ではそれほど痛くない程度に思っていました。今回これまで知られていなかった新しい感覚器官が、皮膚の内部にあることが分かりました。
「侵害受容グリア・神経細胞複合体」と名付けられたこの構造は、心臓や脾臓のような複雑な臓器とは異なり、グリア細胞(膠細胞)という細胞が網状に並んだだけの単純な器官です。
グリア細胞は、神経細胞を取り巻きその働きを助けることが知られています。このブログでも脳のグリア細胞について紹介しています。
今回発見された器官では、皮膚の外側の層(表皮)と内側の層(真皮)の間にグリア細胞によるネットワークが形成され、そこから細い繊維のような突起が外側の層に伸びています。
発表された研究によれば、この単純な器官が、皮膚を圧迫したり刺したりする刺激によって起こる痛みを知覚するときに、重要な役割を果たしているようです。これまでは「侵害受容線維」と呼ばれる神経細胞が、この種の痛みの主な出発点と考えられていました。
今回の研究を行ったカロリンスカ研究所のチームは、100年もの間痛みは皮膚内の神経で感知されると考えられてきましたが、グリア細胞も痛みの出発点である可能性を示しました。
研究チームは最初にマウスでこの新たな器官を特定し、さまざまな痛みに対するマウスの反応を測定することで、その機能を調べました。遺伝子編集技術を用いて同器官の細胞の働きを抑制したところ、マウスは熱痛、つまり熱さや冷たさによる痛みに対しては正常な反応を示しました。
しかし圧迫や刺すといった「機械的な刺激」による痛みに対しては、グリア・神経細胞複合体が不活性化されたすべてのマウスで、反応の低下がみられました。この発見によって、痛みがどのように発生し増大するのかについて、少なくともマウスに関しては考えを改めることになりそうです。
この器官が人間にも存在するかはまだ確認されていませんが、可能性は高いと判断できるようです。人間にも存在すれば、米国の全人口の10%、欧州では7~10%が患っているさまざまな神経障害性疼痛の治療に役立つかもしれないと述べています。
例えば、この細胞ネットワークの働きを抑える方法が見つかれば、軽く触れただけで強い痛みを感じる「アロディニア」に悩む患者を救うことになりそうです。
どうも具体的にイメージしにくいのですが、痛みを感じるという事はかなり複雑な機構なのかもしれません。
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