海洋研究開発機構などの研究チームは、海底下約1200メートルまでを掘削調査し、高温かつ高圧の過酷な環境に生息する微生物群を発見したと公表しました。
温度は約120℃に達し、高温でも生きられる特殊な微生物の仲間とみて、種の特定を進めるとしています。このブログは「朝日新聞デジタル」の記事をもとに書いています。
海底の堆積物や岩石に中に微生物が生息することはこれまでの研究で知られていますが、生命の存在がどこまで広がっているかは大きななぞとされていました。このような高温高圧化で微生物が存在するということは、「生命の起源」を考えるうえでも非常に興味があります。
生命の発生については非常に多くの仮説が出ていますが、そのうちのひとつが高温高圧である海底火山の噴出口ではないかといわれています。
生命が誕生するには多くの条件が必要ですが、少なくとも高濃度の有機物が存在しなければなりません。こういった噴出孔には有機物の原料となる炭素、水素、酸素、窒素などの原子から必須の微量金属までが揃っていると考えられています。
またこういった環境は非常に多種の化学反応が起きやすく、そのうち一部は有機化合物となるのかもしれません。
最近では隕石の衝突のような状況を作り出すと、炭素や窒素などの無機物から生命の基礎ともいえるアミノ酸が生成したという報告を読んだことがあります。こういった高温高圧の状況下で、その他のタンパク質や糖類、核酸類ができてくるということは全く証明されていません。
一般に無機化合物から有機化合物へ変換するためには、非常に多くのエネルギーが必要ですが、海底火山の噴出口はこの条件を満足しているのかもしれません。ただこういった環境は出入りが激しいので、有機物が高濃度になるという点はやや疑問を持っています。
さて研究チームは2016年に室戸岬沖約125キロ、水深4776メートルの地点で、地球深部探査船「ちきゅう」で海底を深さ1180メートルまで掘り、円柱状の試料を採取しました。
海底の温度は1.7℃、掘り進むほど温度が上がり、最下部は120℃前後になっていたようです。この資料を調べると、最下部を含む部分に高温でも生きられる超好熱性のメタン生成菌が活動していることが分かりました。
ここで得られた微生物の詳細な解析はまだできていませんが、こういった好熱性菌は古生菌であることが多いようですので、生命の起源とのかかわり合いが明らかになることを願っています。
研究チームは、地球深部で超好熱菌が発見されたのは初めてで、1千メートルを超える深さから微生物の濃度が徐々に増加しており、生育温度の限界は見いだせなかったとしています。
まだ掘削できていないさらに深い高温部にも微生物が存在する可能性があるようです。今回の研究が生命の起源と関係があるかどうかは分かりませんが、この解明に近づくような結果を期待しています。
温度は約120℃に達し、高温でも生きられる特殊な微生物の仲間とみて、種の特定を進めるとしています。このブログは「朝日新聞デジタル」の記事をもとに書いています。
海底の堆積物や岩石に中に微生物が生息することはこれまでの研究で知られていますが、生命の存在がどこまで広がっているかは大きななぞとされていました。このような高温高圧化で微生物が存在するということは、「生命の起源」を考えるうえでも非常に興味があります。
生命の発生については非常に多くの仮説が出ていますが、そのうちのひとつが高温高圧である海底火山の噴出口ではないかといわれています。
生命が誕生するには多くの条件が必要ですが、少なくとも高濃度の有機物が存在しなければなりません。こういった噴出孔には有機物の原料となる炭素、水素、酸素、窒素などの原子から必須の微量金属までが揃っていると考えられています。
またこういった環境は非常に多種の化学反応が起きやすく、そのうち一部は有機化合物となるのかもしれません。
最近では隕石の衝突のような状況を作り出すと、炭素や窒素などの無機物から生命の基礎ともいえるアミノ酸が生成したという報告を読んだことがあります。こういった高温高圧の状況下で、その他のタンパク質や糖類、核酸類ができてくるということは全く証明されていません。
一般に無機化合物から有機化合物へ変換するためには、非常に多くのエネルギーが必要ですが、海底火山の噴出口はこの条件を満足しているのかもしれません。ただこういった環境は出入りが激しいので、有機物が高濃度になるという点はやや疑問を持っています。
さて研究チームは2016年に室戸岬沖約125キロ、水深4776メートルの地点で、地球深部探査船「ちきゅう」で海底を深さ1180メートルまで掘り、円柱状の試料を採取しました。
海底の温度は1.7℃、掘り進むほど温度が上がり、最下部は120℃前後になっていたようです。この資料を調べると、最下部を含む部分に高温でも生きられる超好熱性のメタン生成菌が活動していることが分かりました。
ここで得られた微生物の詳細な解析はまだできていませんが、こういった好熱性菌は古生菌であることが多いようですので、生命の起源とのかかわり合いが明らかになることを願っています。
研究チームは、地球深部で超好熱菌が発見されたのは初めてで、1千メートルを超える深さから微生物の濃度が徐々に増加しており、生育温度の限界は見いだせなかったとしています。
まだ掘削できていないさらに深い高温部にも微生物が存在する可能性があるようです。今回の研究が生命の起源と関係があるかどうかは分かりませんが、この解明に近づくような結果を期待しています。
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