ごっとさんのブログ

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歳をとっても思い出す回路は衰えない事実

2022-02-18 10:25:12 | 自然
私は先月誕生日を迎え、75歳の後期高齢者となりました。

特に変わったことはないのですが、健康保険の自己負担が1割になり新しい保険証が来ました。これが何と財布には入らない大きなカードで、どうもお役所仕事は意味がよく分かりません。

歳をとると物忘れがひどくなるのは当然のことと思っていましたが、脳科学的にはそんなことはないようです。穏やかに成熟していく脳は、その後も急速に劣化することはないと断言しています。

人間の記憶力は若者の方が優れているが通説でしたが、近年それが変わりつつあり、成人の脳でも新生し続ける神経幹細胞の存在が明らかになってきました。学習や記憶、脳の損傷修復は大人になってからも十分に可能で、歳をとったから学べないは単なる言い訳に過ぎないとしています。

脳細胞も筋肉と同じで、年齢にかかわらず使わなくなったら記憶力も弱まります。しかし筋トレやランニングで筋力が付くように、学力や記憶力もその人の行動変容によっていかようにも伸ばすことが可能です。

覚えていたはずなのに思い出せないという「ど忘れ」が起きるメカニズムは、保存したはずの記憶が時間の経過とともに、保存先を移動していたり内容を改ざんしたり、最悪の場合消去していることもあるためです。

人間の記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があり、ものを覚えるとき一旦収容されるのは、前頭葉がつかさどる「短期記憶」です。記憶をずっと固定するためには、改めて大脳皮質全体(特に側頭連合野)がつかさどる「長期記憶」に保存しなくてはいけません。

ただし1度「長期記憶」に保存された記憶も、取り出さなければ忘れ去られてしまいます。学習にとって最も大切なことは「覚えること」よりも「取り出すこと」でインプットよりもアウトプットが重要となっています。

人間の脳は夜の睡眠時間や、日中ボーっとしている時間に学習効果が上がり、リラックスしているときによく働く脳部位が海馬などに存在しています。覚醒時にフル回転していた脳がアイドリング状態に入り、記憶の整理と保存が進みます。

また記憶の回路である海馬は、感情回路に極めて近い部分にあり、頭を使うには情緒の安定が欠かせません。こういった脳の働きは、高齢になってもそれほど衰えないようです。

「ど忘れ」は脳の前頭葉が自分はこれを知っていると分かっているのに、側頭連合野から答えが返ってこない状態です。そこで粘って思い出すことができれば、ドーパミンが放出されて脳の思いだす回路が強化されるそうです。

私もど忘れが多くなっていますので、何とか思い出す努力をしてみたいと思っています。


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