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製薬会社が高血圧患者を作り出している、は本当か

2024-09-19 10:34:29 | 健康・医療
私は若いころから低血圧気味で、上が110ぐらいしかありませんでした。歳をとりやや血圧も上昇し、現在は120〜130と正常な値になっています。

よく降圧剤を使って血圧を下げると体調が悪くなるという話しがあり、必ずしも高血圧は治療する必要がないという意見もあるようです。

ここではオジサン雑誌(なにを指すのかよく分かりませんが)が血圧は高くても心配ない、薬で下げるのは良くない、という意見についての反論を紹介します。日本高血圧学会が血圧別に見た、その人が将来心臓血管系疾患(心筋梗塞や脳卒中)で死亡するリスクのデータがあります。

これによると少なくとも74歳までは、血圧が上がるほどこれらの疾患で死亡するリスクは高くなっています。高すぎる血圧とはほっておくと将来ツケを払わされる血圧といえるようです。これをもって高血圧は薬で下げるという事につながるかは、若干疑問を持っています。

歳をとれば血管が硬くなり、血液の流れが悪くなります。それでも脳などの重要な臓器に血液を届けるために血圧が上がります。つまり歳をとって血圧が上がるのは自然な加齢現象だという説もあります。

これは今から80年近く前までは医学的常識となっていたようで、当時の教科書にも記載されていたようです。これに疑問を持った人たちが、1960年代に血圧のかなり高い人たちを集めて、薬で血圧を下げる実験をしました。

この結果血圧を下げた人たちでは、下げなかった人たちに比べて心筋梗塞や脳卒中などの血管病が確かに減っていたのです。この高い血圧は下げた方が良いことが証明されたのは1967年で有名な臨床試験のようです。

そこで血圧がどれほど高ければ降圧剤を飲むべきかという問題となりました。これを行ったのが1991年の臨床試験です。血圧が160以上だった人たちの血圧を降圧薬で下げたところ、下げなった人たちに比べ、やはり脳卒中や心筋梗塞は大幅に減りました。

さらに160以上だった上の血圧を141〜144まで下げると、155〜157mでしか下げなかった場合に比べ死亡や血管系疾患が大幅に減少したのです。そして世界保健機構は、この結果を受けて上の血圧が140以上で高血圧と提唱したのです。

この基準は日本ではかなりの衝撃を持って受け止められていました。日本では長らく何の根拠もなく、上の血圧は年齢プラス90までが正常とされていたからです。これはエビデンスもないものとされていますが、私は60歳ならば150ぐらいは正常ではないかと思っています。

それでも日本ではエビデンスに基づく高血圧のガイドラインが作られるようになったのが2000年のことです。この140以上であれば高血圧という基準と、降圧剤で体調が悪くなるのは全く別な問題です。

血圧が140以上であれば、だれにでも降圧剤を処方するというところにも問題があるような気がします。


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