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人体に蓄積する「永遠の化学物質」

2020-03-12 10:25:40 | 化学
ファストフードと健康の関係で、新たな問題が加わっています。

それが「PFAS」と呼ばれる化学物質で、人体に蓄積されている可能性があるようです。PFASはパーフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物の総称で、耐水性や耐火性を高めるため、一般的な家庭用品に大量に使用されています。

「永遠に残る化学物質」として、近年欧米で大きな問題になっています。この物質は食品中に含まれるわけではなく、包装紙やトレイに非常に多く使われているものが、自然に取り込まれてしまうようです。

ファストフードを食べた人と手作りの料理を食べた人の、血中PFAS濃度について調べた新たな論文が発表されました。

2003年〜2014年に1万人以上から採取した血液サンプル中のPFASを調べたところ、約70%の血液から広く使われている5種類のPFASが検出されました。この調査データでは、過去24時間、1週間、1か月の間にどのくらいの頻度でファストフードを食べたかについても聞いています。

それらとPFAS濃度の関係を調べたところ、24時間以内にファストフードを食べた人は、血中PFAS濃度が高い傾向にあることが分かりました。人体から速やかに排出される他の化学物質とは異なり、PFASは何年も残留する恐れがあります。

このため定期的にファストフードを食べると、体内にPFASが蓄積されることになります。どの程度の量で人の健康に悪影響が出始めるかは、まだ明らかになっていません。

それでもPFASがガンや甲状腺疾患、ホルモンの変化、体重増加に関連があることは、多くの研究により分かっています。米国のワシントン州とカルフォルニア州では、食品容器へのPFASの使用を制限する法令が可決されています。

ファストフードの包み紙と容器400種類を調べた2017年の調査では、パンとデザートの包み紙の半分以上にPFASが含まれていることが判明しています。またサンドイッチとハンバーガーの包み紙の40%近く、フライドポテトを入れる容器にも20%含まれていました。

PFASは耐水性・耐油性に優れ、食品の携帯が容易になるため包装の保護材として広く添加されています。食品包装材に添加されているビスフェノールAのような他の化学物質は、体内から検出されなくなりますが、PFASの場合最速のものでも数カ月体内に残留することがあります。

このPFASを規制するためには、大規模な集団レベルで疾患の傾向を調べる必要があり、まだ明らかにはなっていないようです。

私もポテトフライなどよく食べますが、予想もしないところに危険となるかもしれない化合物が入っているものです。


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