ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

高尿酸値で痛風が骨を破壊する

2021-10-26 10:27:32 | 健康・医療
最近人生100年という言葉をまた見かけるようになりましたが、そこまで長生きしなくともいかに老後を健康に過ごすかは重要なことです。

私は高齢になったら色々な臓器が痛んできますが、それを治すことはできないのであまり検査などしても意味が無いというのが基本です。

しかし若中年層では、早期の治療で治すことは可能ですので、いろいろな検査値には注意すべきと思っています。ここではそういった検査値のなかで「尿酸値」を取り上げます。

日本では尿酸値が高い状態の「高尿酸血症」になっている人が1000万人以上いるといわれています。こういった推計値は多く出るものですが、これほどではないとしてもかなり多いことは確かなようです。

尿酸は核酸の一種であるプリン体が代謝された最終産物で、これが全身に悪影響を与えるサインは2つあります。1つ目が「痛風」で、代謝されてできた尿酸が関節の中で固まり結晶化します。

これが異物とみなされ白血球の総攻撃を受け、この際起きる炎症で足の指やひざなどの関節が腫れあがるのが「痛風発作」です。

私が聞いたところでは、尿酸が結晶化すると針のような鋭い形になり、これが組織を刺激して痛みが出るということでしたが、炎症説の方が正しいのかもしれません。

痛風発作後には「痛風結節」という瘤のようなものが残ることがあり、これは骨を破壊することもある恐ろしい病気です。2つ目が「尿管結石」で、尿酸値が高いと尿が酸性に傾き、尿酸が溶けにくくなり尿酸結石が発生します。

この結石が尿管に詰まると、激しい激痛が引き起こされます。さらに尿酸値が高くなると、尿酸が様々な臓器に悪影響を及ぼしている可能性があります。前提として尿酸値が高いと、高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスクが上がります。

これは細胞に析出した尿酸が活性酸素と呼ばれる動脈硬化につながる成分を生み出すためといわれています。さらに結晶が腎臓に沈着して炎症が起きる「痛風腎」により、腎臓の機能が落ちてしまうこともあります。

発作リスクは数値によって異なり、尿酸値が7台の人の5年間の通風発症率は2%ですが、9台で20%、10以上で30%という研究結果があります。痛風や尿管結石は、体からの最終警告と言われており、放置しておくと心筋梗塞や腎不全に至る危険性があるとされています。

私の尿酸値は正常値の上限位の7程度ですが、痛いのが嫌いなため痛風にならないと良い程度に思っていました。プリン体と言えばビールが有名ですが、尿酸値をあげないようにするためにビールをやめる気はありませんが、食生活で尿酸値を下げるというのもなかなか難しそうです。

70代からの医師との付き合い方

2021-10-25 10:25:37 | 健康・医療
老年医学の専門家である医師が、70代になったら医師との付き合い方を変えるべきという記事を見ました。これは私とは若干視点が違いますが、大いに賛同できる意見でした。

私は昨年末に「75歳医療からの卒業」(農文協プロダクション)という本を出しました。この論旨は高齢者になると色々な臓器や機能が悪くなってきますが、これを修復するような薬などの治療法はありません。

もちろん痛みなどの自覚症状があれば、取る処方は必要ですが、検査の数値などが悪くなっても治療などしない方が長生きできるということが基本です。

この記事では、医師は長生きの専門家ではなく、自分が担当する臓器のスペシャリストにすぎないとしています。日本の医師や臨床家の大学教授たちが言っている「身体に良い」という言葉の意味は、自分の専門臓器においては良いということです。

例えば循環器内科の医師が、コレステロールを下げなさいというのは、心筋梗塞の予防になるからです。しかし実際はコレステロールの低下は免疫機能を低下させますから、ガンで死ぬ人は増えそうです。

トータルで見ると、コレステロールが高めの人の方が長生きできるという調査結果が多数報告されています。

呼吸器内科の医師は呼吸器の健康のために、消化器内科は消化器の健康のために患者を診ているにすぎないのです。医師が体にいいとか悪いというのは、自分の専門とする臓器においていいか悪いかをいっているだけと断定しています。

つまり日本には長生きを専門とする医師はいないので、身体全体を見てどうすることが身体に良くて、どういうことが悪いのかをいってくれる医師はほとんどいないとしています。

70代ともなると、体のすべての臓器の能力が落ちてきます。ある臓器のスペシャリストの言い分だけをうのみにしていると、診てもらっている臓器は良くなっても他の面で支障が出て、身体全体に大きなダメージを受けるようなことが起きるようです。

私の感じでは実際はもっとひどい気がします。高齢者がお腹が痛くなり病院に行くと、あらゆる検査をして例えば血圧が高いと胃腸薬と降圧剤を処方します。

すると定期的に血圧を測り、降圧剤の処方が続き病院に定期的に行く患者が出来上がるという流れがあるような気がします。この血圧を下げることによってふらつきが出たりすると、そのための薬が処方され、薬漬けがだんだんひどくなるわけです。

この記事では結論として、自分なりの情報収集や他の医師の見立てを聴くなどの努力で、自分で身を守ることが重要としています。

最後に私の本の宣伝をしておきます。「75歳医療からの卒業」(農文協プロダクション)定価1320円、アマゾンや楽天ブックスで購入できます。ぜひご一読ください。


風邪に風邪薬を使わない新常識?

2021-10-24 10:53:46 | 
涼しくというより寒くなってきましたが、そろそろカゼがはやる時期になってきました。

このコロナ禍ではカゼの対処も難しいようで、友人は2回微熱が出たときに毎回PCR検査を受けたといっていました。医師が書いた「カゼに風邪薬は使わない」というコラムを見ましたが、私の意見とは異なるのですが紹介します。

まず薬の新常識として以下の3点を挙げています。1.薬はヒトを治す「天使」でもあり、ヒトを傷つけてしまう「悪魔」でもある。2.薬は「切り札」であり、使うときは最後の手段の方が良い。3.可能な限り薬に頼らずに健康的な生活を送る。

これはそれほど新しい感じはしませんが、まあ納得できる項目と言えます。次がカゼと風邪薬ですが、基本的には使わない方が良いとしています。テレビでは風邪薬のCMが流れ、ピンポイントで症状が表現されていたりします。

こういうのを見ると「効くかもしれない」という気分になったり、風邪っぽいなと感じたら病院に風邪薬をもらいにいったりしそうです。しかし実際には必要性があるとして風邪薬を処方している医師は多くないようです。

そこで風邪薬のメリットとデメリットを確認しておく必要があります。風邪薬は多くの場合「PL」と呼ばれる総合感冒薬が使われています。これは鼻水を止める成分、のどの痛みを抑える成分、咳止めの成分が入っており、こういった症状が無くなることがメリットと言えます。

またデメリットとしては、総合感冒薬に含まれる解熱剤には胃に作用することが多く胃炎などにつながることもあります。また抗ヒスタミン成分は、鼻水の分泌を抑える効果がありますが、脳の活動にも作用するため眠気を引き起こすこともあります。

こういったことを総合すると、薬に頼るのではなく、ゆっくり休みよく寝てエネルギーを回復した方が良いとしています。

私は風邪の初期症状は、大体喉に違和感が出ることがほとんどです。この辺りは非常に不思議なのですが、多くのカゼの病原菌がいるはずですが、最初の症状は大体人によって決まっているようです。

微熱から始まる人や、鼻水が出る、喉が痛い、頭痛がする、胃の具合が悪くなるなど、さまざまですがなぜ毎回同じ症状が出るのか、体の不思議のひとつです。

私はおかしいかなと思ったら買い置きしてある市販の風邪薬をまず飲みます。1,2回飲めば良くなることがほとんどですので、これが私のカゼの対処法となっています。

ここで重要なのは、数ある風邪薬の中で一番自分に合う薬を見つけておくことだと思っています。結局薬に頼るのはあまり良くないかもしれませんが、自分に合った対処法を見つけておくことが、一番良い治療法なのではないでしょうか。

安全な水道水の基準値の根拠とは

2021-10-23 10:25:04 | その他
水は生活をしていくうえでなくてはならないもののひとつですが、日本ほど水道水がきれいな国はないという話をよく聞きます。

先進国ならばほとんどの国では水道水を飲んでも問題ないとされています。それでも日本のある統計では、日本人の6割が「世界で最もおいし水が飲める国は日本」と回答しています。

それでも家庭で水道水をそのまま飲んでいる人は、全体の25%しかいないようです。ある統計では浄水器を通してから飲む人は24%、水道水や浄水器を通した水を沸かして飲む人は17%、ボトル水、スーパーの持ち帰り用の水、ウォーターサーバーの水を飲む人が33%となっています。

私の家では水道の出口に小さな浄水器を付けていますが、あまり効果があるとも思えませんがこれを飲んでいますので、浄水器を通してから飲んでいる部類に入るのかもしれません。

さてこの水道水の水質基準は、1958年に施行されて以来たびたび更新されています。特に1992年に20項目が追加されて以降の更新頻度は顕著で、毎年という程ではないようですが、高い更新頻度で安全性が保たれているようです。

また基準値には根拠が不明確なものが多いのですが、水道水の基準値は2003年の改正に伴って根拠も示され、ネット上で読むことができるようになっています。水道水質基準は2014年に51項目が定められており、それとは別に塩素による消毒も水道法で義務付けられています。

ここでは例として「銅」の基準値の決め方について書いてみます。銅は鉱山排水や工業排水に含まれるだけでなく、給水装置にも銅管が使われていることからしばしば水道水に溶け込みます。

また銅はヒトにとっても必須元素であり、食品や栄養サプリなどから意識的に摂取されることもあります。2003年の基準値改正では、銅の摂取量が一日10mgまでなら健常な成人にとって有害な健康影響は見られないとされました。

そこで一日2〜3リットルの水道水を飲み、食品や栄養サプリから銅を接種しても、10mgに到達しないような濃度として、2mg/リットル以下という基準が定められました。

ところが洗濯において銅濃度が1mg/リットルを超えると、洗濯物に着色が生じることが分かりました。このように安全性の観点(毒性評価)からは2mg/リットルという値が、性状の観点(洗濯物の着色)からは1mg/リットルという値が示され、最終的には1mg/リットルが基準値として採用されました。

水道水の基準値は安全性から決められると思っていましたが、洗濯物の着色などからそれより低い値に設定されるというのは面白い結果です。

この様に水道の基準値は安全性だけではなく、生活のあらゆる面から検討されているということは、やはり日本の水道水は非常に安全性が高いといえるような気がします。

酵母が巨大な多細胞体に進化

2021-10-22 10:27:09 | 自然
人間を含む動植物は多細胞体ですが、微生物は単細胞で活動しています。

原始の生命が生まれたときは当然単細胞のはずですが、これがいかにして多細胞生物に進化したのかは現在でも謎とされています。この手掛かりとなるような研究成果が、ジョージア工科大学の研究チームから発表されました。

研究チームは試験管の中で本来は単細胞生物の酵母が、肉眼で見えるほどの巨大なクラスター(集合体)にまで進化する様子を観察し、複雑な多細胞構造の起源を探る研究への道筋を付けました。

実験で得られた酵母のクラスターは大きさが直径2ミリで、およそ45万個の細胞を含んでいました。研究チームは2,012年には単細胞生物の酵母が、雪の結晶のような形に多細胞化する「スノーフレーク酵母」を発見し報告しています。

この変異株は、母細胞から出芽した娘細胞は母親にくっついたまま枝分かれして増え、小さなクラスターを形成します。しかし細胞の数が数百個まで増えて大きくなると二つに分裂しました。

スノーフレーク酵母のように、シンプルな多細胞性を進化させることはいくつかあるものの、どうやって数十万個あるいはそれ以上の細胞のクラスターを安定的に生み出せるのかが問題でした。

研究チームはスノーフレーク酵母を作るにあたり、さまざまな培養法を試みましたが、細胞が300〜400個まで増えると成長が止まるという壁にぶつかっていました。そこで原始地球では酸素濃度が不安定だったことにより、無酸素、低酸素、有酸素の状態で実験を行いました。

実験開始から約200日後、無酸素状態での試験官に肉眼でも確認できるほど大きなクラスターができはじめたのです。600日後無酸素状態の酵母のクラスターは、平均45万個の細胞を持つまでに成長しました。

また最も大きなクラスターの細胞が細長くなり、元の球状から大きく変化していました。成長したクラスターは、木のように固くなっており、形成する枝が複雑に絡み合っていることが分かりました。

このような大きなクラスターになると、内部の奥深くにある細胞には栄養が行きにくくなりますが、これにどう対処するのかなどが今後の課題としてあるようです。今回作製した酵母の巨大クラスターは、単なる集合体であり多細胞生物とは全く異なるものです。

しかしこれが単細胞生物から多細胞生物への進化の謎を解き明かす一歩となる可能性は十分あるといえそうです。

こういった研究は生成日数からも分かるように、非常に時間がかかる実験となっています。研究チームは何十年かかっても多細胞化の謎の解明に取り組むと意欲を示しています。