ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ブタの腎臓を脳死の男性に移植

2023-09-10 10:34:28 | 健康・医療
私の知人にも腎不全から透析を受けている人がいますが、1日おきに5時間も透析を受けるというのは大変なようです。

現在透析を受けている人は31万人といわれていますが、そのうち腎臓移植を希望する人が1万2000人程度いるようです。しかし実際に腎臓移植は2021年で1773例と圧倒的にドナー不足になっています。

こういった実情を踏まえ、アメリカでは遺伝子改変をしたブタの腎臓移植の有効性を調べる実験が進んでいます。ニューヨーク大学の研究チームは、安全性を調べるために脳死した50代の男性に移植したと発表しました。

この研究チームによる脳死者へのブタの腎臓移植は3例目で、今回移植した腎臓は32日間拒絶反応を起こさずに良好に機能しており、これまでで最長としています。

発表によると移植手術が行われたのは7月14日で、同大学のランゴン病院で脳死が宣告された57歳の男性に、拒絶反応が起きないように遺伝子改変したブタの腎臓が移植されました。家族の同意のほか、病院の特別な倫理監督委員会の承認を得ていました。

脳死した男性は人工呼吸器がつけられて、心臓は動いている状態でした。ブタの腎臓が機能するかどうかを確かめるために、男性の体からは移植前に自身の腎臓が両方とも摘出されました。

人間とブタなど異なる種の間で腎臓移植をすると、通常「超急性拒絶」と呼ばれる反応が数分で起きます。今回の移植では超急性拒絶は起こらず、尿もすぐに出始めたとしています。

男性の身体は集中治療室で管理されていますが、32日経った時点でも腎機能を評価するクレアチニンの検査値は「最適な範囲」にあると説明しています。観察は9月中旬まで続けられる予定です。

研究チームは2021年9月に世界で初めて、遺伝子改変したブタの腎臓を脳死者に移植しました。1例目、2例目はいずれも54時間で観察を終えていました。

今回移植されたブタの腎臓が1か月以上にわたって拒絶反応なく機能したことが確認できたとして、研究チームはブタの臓器を人間への移植用に供給できるようになるための「最新の一歩」と評価しています。

ブタの臓器を移植するというと若干気持ち悪さはありますが、どこの臓器も絶対的なドナー不足という点からは、こういった研究も必要なのかもしれません。

子供のアトピー治療、最新の常識

2023-09-09 10:34:52 | 健康・医療
私の次男はずいぶん遅いのですが、大学に入ってからアトピーを発症しました。治療は本人に任せていましたが、保湿剤やステロイドなどで何とか対応していたようです。

その後次男は結婚しましたが、どうも子供(孫)にその体質が伝わってしまったようでした。ある時次男一家と私の家族で近くの料亭で食事をしたのですが、食後私はその庭で孫と遊んでいました。

すると急に孫の顔に発疹が出始め、腫れてきたのです。慌てて母親のところに戻り、ナッツアレルギーだと常備している薬を飲ませていました。

すぐに治まったのですが、この料亭は箸置きの代わりに殻付きのピーナッツを使っていたのですが、どうもそれを食べてしまったようです。

さて子供の10人に1人はアトピー性皮膚炎に悩んでいるとされています。最近は新薬が続々と登場し、この治療法も変わってきたようです。アトピーの治療では、大人も子供も塗り薬による治療が基本という点は以前と変わらず、保湿が基本です。

アトピーの人の肌は健康そうに見えても皮膚の下で見えない炎症が続いているため、保湿剤だけだとすぐに再発してしまうことも多いようです。保湿剤だけでコントロールできない場合は、ステロイドなどの塗り薬で炎症をしっかり押さえるという点で従来と変わっていません。

最近ステロイドと保湿剤の中間くらいの炎症を抑える効果が期待できる塗り薬の選択肢が増えてきました。具体的には、免疫抑制剤の「プロトピック」の他に、JAK阻害薬の「コレクチム」と、PDE4という炎症に関わる酵素の働きを抑える「モイゼルト」という薬が公的医療保険の対象になりました。

ステロイドは炎症に関わるサイトカインというタンパク質の働きを抑え、炎症やかゆみを抑える効果は非常に高いのですが、皮膚が薄くなったり毛細血管が拡張したり、多毛になったりする副作用があります。子供の場合はどうしても副作用が起こりやすいという問題がありました。

一方JAK阻害薬やPDE4阻害薬は、かゆみや皮膚の炎症を引き起こす原因となる特定のサイトカインの働きを、ステロイドとは異なった方法で抑えます。炎症を抑える効果は弱いのですが、長く安全に使うことができるという特徴があります。

さらに皮膚のバリアー機能を改善させる効果も期待できます。このように新たな薬によって、ステロイドだけではなく色々な選択肢が増え、その人に合った治療薬を選ぶことが可能になってきているようです。

私の孫も高校生になりましたが、今のところアトピーは出ていないようですが、両親がアトピーであったという事はやや心配な状況となっています。

エーザイのアルツハイマー病治療薬を承認

2023-09-08 10:37:06 | 
私は76歳になり予想外のことを忘れたりして、認知症の初期ではないかと若干心配しています。最近厚生労働省は、エーザイのアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」の製造販売承認を了承しました。

レカネマブについてはこのブログでも以前取り上げましたが、病気を発症させる原因タンパク質のアミロイドベータを除去して進行を遅らせる効果が期待できる初の認知症薬です。厚生労働省が正式承認する見込みで、早ければ年内にも実用化されそうです。

レカネマブはアミロイドベータが固まる前の段階で、人工的に作ったこの抗体を結合させて神経細胞が壊れるのを防ぐ仕組みです。このタイプは病気の原因に直接働きかける「疾患修飾薬」と呼ばれます。

ただしすでに死んでしまった神経細胞は再生できないため、投薬効果が期待できるのは発病早期の患者に限られます。このため投与対象はアミロイドベータが脳内に蓄積し、生活に支障が出始めた軽度の患者とその前段階の軽度認知症の人となります。

臨床試験では日本や米国のほか欧州、アジアの235医療機関で早期のアルツハイマー病と診断された患者1795人(平均72歳)を対象に、新薬レカネマブを2週間に1回点滴しました。18か月後に症状の悪化をプラセボ投与群と比較しました。

その結果、新薬投与群は記憶や判断力などの認知機能や身体活動などに出る症状の悪化が27%抑制されました。アルツハイマー病は脳の神経細胞の働きが弱くなって認知機能が低下する進行性の病気で、問診や脳画像、脳脊髄液の検査などを行って診断します。

厚生労働省によると、この病気は認知症全体の70%近くを占め、患者数は2025年には約700万人、65歳以上の5人に1人にも上ると試算しています。

レカネマブはこの認知症の初めての治療薬として大いに期待されているようですが、私はかなり懐疑的に考えています。その最大の問題点が価格で、まだ薬価は発表されていませんが、アメリカでは1人年間380万円以上かかるとされています。

ここまで高額にはならないと思いますし、日本には高額医療制度もありますが気楽に受ける治療とはならないような気がします。また臨床試験での有効率(抑制率)の低さも気になります。

簡単にいえば10人治療しても3人しか効果が出ず、7人には効かないという事になります。これで本当に期待の治療薬といえるのでしょうか。もともと認知症は個人差が大きく、急激に進行する人もいれば軽度のまま進まない人もいます。

しかもこの薬は進んでしまった人は適応外となりますので、よけい使用が難しくなるのではないでしょうか。自分や身内が認知症かと思っても、積極的に高額の医療費を払って治療しようとは思えない薬といえそうです。

日本の寝たきり老人数は世界ダントツの1位

2023-09-07 10:32:57 | 健康・医療
もう10年以上前のことですが、母の調子が悪くなり入院することになりました。たまたまベッドが空いていた呼吸器科に入りましたが、入院患者はほぼ全員が老人でした。

この病院は先端医療を売り物にしているかなり大きな病院でしたが、まるで高齢者施設の様な感じでした。母は入院3か月ほどで色々な臓器が痛んできて、肝臓や腎臓の数値がどんどん悪くなっていきました。

当然食べられなくなり医師に胃ろうを勧められましたが、母は元気なときには延命治療は受けたくないと言っていましたので、胃ろうではなく点滴栄養を選択しました。医師の予想通り3か月後に静かに亡くなりました。

最後まで意識ははっきりしていましたが、母にとってこの3か月が良かったのかは難しいところです。さて日本の寝たきり老人の数は、推定ですが世界ワースト1位のようです。

最近こういった調査が行われていませんが、1989年の報告では日本の老人の寝たきり率は、施設入所者でアメリカの約5倍、住宅居住者でイギリスの約3倍、デンマークの約6倍でダントツの世界一でした。

日本では寝たきり老人が、300万人以上いると推計されています。2020年の介護保険事業報告(厚生労働省)では、施設に入所している寝たきり老人だけで300万人以上おり、自宅等で寝たきりになっている人を含めればさらにその数は増えそうです。

日本以外の国では、医療機関などには「寝たきり老人」はほとんどいないとされています。日本以外では自力で生活できなくなった人に過度な延命治療はしないので、医療機関に寝たきりで何年も生きているような人はほとんどいません。

この寝たきり老人が多いことの原因こそが、日本医療制度の欠陥の原因ともいえるようです。医療現場では「とにかく生存させておくこと」が善とされ、点滴、胃ろうなどの延命治療がスタンダードに行われています。

自力で食べることができずに、胃に直接栄養分を流し込む「胃ろう」を受けている人は、現在25万人いると推計されています。寝たきりで話すこともできず、意識もなくただ生存しているだけという患者も多いようです。

日本の場合親族などが望んでいなくても、一旦延命治療を開始すると、それを止めることが法律上なかなか難しいという事があります。自力で生きることができなくなったら、無理な延命治療はしないという事は先進国では一般的になっています。

日本がこの世界標準の方針を取り入れるだけで、医療費は大幅に削減できるはずです。日本がこれをしない一因は、この延命治療で儲かっている民間病院が多いことです。

そういう民間病院が圧力をかけ、現状の終末医療をなかなか変更させないという事のようです。つまり「開業医の横暴」が、日本の医療を歪めていると言えるのかもしれません。

夏バテ防止にマグネシウムの必要性

2023-09-06 10:35:46 | 健康・医療
記録的といわれる暑さが続いていますが、引退した私はそれほど外に出る必要性もないため、涼しい家の中でぶらぶらしています。

この夏バテ防止や睡眠の質の改善に大事な物質として「マグネシウム」があります。マグネシウムは必須ミネラルのひとつで、体内の600種類以上の酵素を活性化させ、糖代謝に関わり、エネルギー源となるATP産生過程に不可欠なミネラルです。

不足するとATP産生が滞り、エネルギー不足で疲れやすくなります。現代人は海水から製塩した天然塩の使用頻度の低下、全粒穀物・野菜・果物の消費量の減少に伴い、食事からの十分なマグネシウムの摂取が難しくなっているようです。

さらにマグネシウムは汗で体外にも出されるので、夏は排出される量が多く、不足状態になっている可能性があります。マグネシウム不足で誘発されたり悪化したりする病気には、糖尿病や心筋梗塞、高血圧などがありますが、ここでは夏場の日常生活で起こりやすいリスクです。

まずマグネシウムは細胞膜内外のミネラルのバランスをコントロールしているので、不足すると神経伝達に異常が起こりやすく、筋肉の痙攣、こむら返りなどが起こりやすくなるとされています。

次にマグネシウムは精神を安定させるホルモン「セロトニン」の合成にも関わっているため、不足すれば同ホルモンの合成が阻害される可能性が示唆されています。多く摂取している人は少ない人よりも抑うつ症状は低いというデータもあります。

最後がATP産生不足によりエネルギー不足状態に陥り、夏バテのリスクが高くなります。これが不足する原因としては、寒冷ストレスや精神的なストレスが加わった状態では、尿中のマグネシウム排出量が増加するそうです。

この夏の高い気温の中で過ごすとストレス感情が高まり、マグネシウム不足が起きるリスクが高いと言えるでしょう。アルコール摂取も尿からの排出を増加させます。夏場の冷たいビールは美味しいですが、飲酒によりマグネシウム不足を起こしてしまいます。

アルコールを分解する時にもマグネシウムが使われるので、酒を飲むときは豆や豆腐、海産物などで補給した方がよいようです。その他塩分の多い加工食品中心の食生活や、乳製品の食べ過ぎもマグネシウム不足を起こす原因になるようです。

マグネシウムは普段健診などで検査する機会がないため、不足が見逃されやすいミネラルです。調査によると食事摂取基準に対する充足率は30〜49歳の男性で69%と著しく低下しています。

これを解消するためには、海水から作られた粗塩、ノリひじきなどの海藻類、ナッツ類、豆腐納豆などの大豆製品、玄米、緑が濃い野菜類の摂取が推奨されています。

私は「夏バテ」という感じがほとんどありませんので、普通の食事でマグネシウムが摂取できているのかもしれません。