

毎日が何らかの記念日に当たるのでしょうが、今日8月20日は1968年「チェコ事件」が起きた日です。
ソビエト連邦主導のワルシャワ条約機構軍がチェコに軍事介入し、民主化運動「プラハの春」を圧殺
した日で、ミラン・クンデラの『存在の耐えられない軽さ』は、この事件を題材にした小説でした。
事件後フランスに亡命していたチェコの作家クンデラが1984年に発表した此の作品は、世界的な話題
になり、1987年フィリップ・カウフマン監督、ダニエル・デイルイス主演で映画化されました。
冷戦下のチェコスロヴァキアに興った「プラハの春」とその時代を背景に、刹那的に生きるドン・ファンで
優秀な外科医トマシュと田舎娘テレザ、奔放な画家サビナが辿る、甘美にして哀切な究極の恋の物語。
当時「プラハの春」事件は、遠く離れた東欧の出来事として報道されていたように思いますが、後年に
チェコを旅し、小説を読み、映画を観て、チェコを揺さ振った激動の時代に想いを馳せました。
現在チェコは安定しているようですが、恐らくウクライナや東欧諸国では似たような状況が繰り返され、
新たな悲劇が起きているのでは無いかと懸念されます。不戦を誓った筈の日本も70年を過ぎて何やら
不安を覚えるニュースが聞こえてくる昨今、改めて『過ちは繰り返しませぬから』を想い起こしています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます