二胡工房 光舜堂

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二胡弾き・本紀

2013-09-11 07:25:33 | ■工房便り 総合 
本紀というのは、編年体、要するに古い時間から順を追って、歴史を書いて行く形です。

司馬遷の史記の場合は、神話の頃から始まります。

始めに無もなく有もなくと始まる神話も有ります。

原初の世界はカオスであったという神話も有ります。

神も人も自然も滅びるがトネリコの木だけが永遠に生き延びていく神話も有ります。

最初に神様が島を釣り上げた、などという神話も有ります。
何処の国の何処の民族の神話でも、その民族の考え方の基本的な形が現れているようです。

二胡は、

最初にラバナストロンが有った。

いや、レバーブが最初の弦楽器で有ったという擦弦楽器の神話も有ります。

これはもう神話でしかありません、いくら探しても、その当時の楽器が出て来るわけでもありません。

二胡の形は、ラバナストロンに近く、円筒状の胴に長い棹を持っていますし、レバーブは長い平たい胴を持っているということでは、ヴァイオリンなどの、先祖に当たるのかもしれません。

ラヴァナストロンが二胡の祖先だとして、それが、北上し、アフガニスタンを経て、ペルシャを経て、ゴビ砂漠を越えて西から中国には行ったという確証も有りません。

にもかかわらず、胡という西の民族をさす、文字がつかわれます。

これも人によっては必ずしも胡という字が、西の民族をさすわけでもないという意見も有ります。

いずれにせよ、中国にも国外から来たのは間違いないようです。

民族楽器としての二胡のご先祖様の中国での分布から言うと、一番多いのは、やはり貴州雲南の南方が多く、その次に多いのが、山東省当たりのようです。

意外と内陸部に二胡之ご先祖の形というのは少ないです。

いつの時代にどのように広がったかは解りませんから、今の時点でのその楽器のバリエーションの多さから言っての話です。

もちろんベトナムにも、タイにもそして韓国にもこの筒状の胴をもった擦弦楽器というのはあります。(もちろんモンゴルにもあると言うのは知っていますが、その近辺ではこの筒状胴をもった楽器というのは、どうも他には無いようなのです。その網目ニシキヘビを使っていますから、これはどうも輸入品と考えて良いかと思います。シルクロードの西側には、この形の楽器が有るとしてもとても少ないです。

最初にラバナストロンがスリランカに生まれたのだとして、もしかしたら海を通って、海岸沿いに広がって行ったと考えることもできます。

タイ、ベトナムそして中国の南部から東の端、山東省そして韓国

その海岸沿いの一番外れに日本はあります。


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