二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

まだある、二胡を作る為の木

2013-09-17 10:08:14 | ■工房便り 総合 
最近、良く木場へ行きます。

木場の中をうろうろしています。

20年ほど前でしたら、木場の中の知り合い達を訪ねれば、「よう!、胡桃の西野さん」とよく言われたものです。

殆ど木場に入って来る、道材(北海道の材料)の胡桃の入札は、参加していました。

北海道の胡桃は、ソフトです。ベージュ色をしたとても素直な木が多かったものです。

そして強いのです。

他にも胡桃の材がたくさんあるところが有ります。

新潟と、長野ですね。

これは殆どが姫胡桃です、或いは澤胡桃が多いです。

澤胡桃は、そのほとんどが食べる為の胡桃の実を取るような木ですから、実に栄養分を取られますので、元々柔らかい材料が更にサクサクの木になっている事とそれほど大きくは育てません。

実に栄養分を行きわたらせるためです。

ところが、まだそれほど大きくは無いのですが、(約直径40センチ)岩手の岩泉のあたりには、全山胡桃という場所も有ります。

これは、日本陸軍が、銃の台尻を取るために、植林したものです。

この胡桃は、少々色が黒く、どちらかと言うと、アメリカ、カナダ等のヲールナットに似ています。

粘りが有って、狂いが少ないのです。

軽くて強い粘りが有る、という家具に作るには最高の材料です。

日本陸軍も少しはこのように、先の事を考えて良いことをしていたのですね。

約40万本植えたと言われますから、多分10万本位は無事に育って来ています。

先のことを考えて、未来の為に植林すると言うのは大切なことです。

が、二胡の材はなかなかにそうはいきませんでした。

植林というのはかなりの費用がかかるのと、先の見通しが立たないとやれない物です。

木の場合使えるようんなるのに、数十年というのは普通です。

二胡の木の場合育つのに数百年という時間がかかります。

年輪を数えてみると、インドの小葉紫檀などは、直径12センチぐらいで、300年ぐらいかかっています。

以前はもっと太いものが多かったのだそうですが、今は取り尽くされて、ほぼありません。

日本に在るのも太いもので、15センチくらい、細ければ8センチくらいです。

これでは、箸ぐらいきり或いは二胡の駒くらいきり作れません。

インド紫檀だけではありません。

黒檀も同じ事は言えます。

タガヤサンなどは、タイやベトナムの害慮重になっているものも有ると言います。

ブラジルのブラジリアンローズウッド等もスペインの名前は忘れましたが、ある町の街路樹になっているそうです。

白い小さな花がきれいです。

又インド紫檀では、多分オランダが、インドネシアに、植林したものがそろそろ、使えるくらいになってきています。

それがソノケリンという材料です。

見た目は、インド紫檀とは思えません。まるで別の木に見えるのですが、DNAとしてはインドの小葉紫檀なのだそうです。

このように同じ材でも育つ場所によっては、木は見た目まで変わります。


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