二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

駒を高くしよう!

2018-05-17 17:26:41 | ■工房便り 総合 
苦手な季節になってしまいました。

二胡を造ってきたせいか?

長い間木の仕事をやってきたせいか湿度に弱いです。


かなり敏感!

今日のように80%などというと、蛇皮も伸びますね。

本来パンと張ってなければいけないですし、一度張ってから水分が加わると、

妙な伸び方をします。

妙なというのは、とぐろ、

以前書きましたように蛇はとぐろを巻きます。

それぞれ個性があるようで右巻きは右巻き左巻きは一生左巻きなのだそうです。

とうぜん皮にその癖が残るのだそうです。

ですから一度濡らして締め上げても、何となくどちらかが緩みます。

それから二回目にはゆっくりと、あえて乾かさないようにしながら、2日くらいかけて伸ばしていきます。

それでもその癖が残るものがあるのです。

私も最初のころはこれにてこずりました。

良し良い張りだと思っていても、2週間ぐらいすると、特に湿度のある時には、

なんとなく片側だけ緩んでくるのです。

まあまあ、そんなことで、皆さんの二胡も、この湿度の高い時期は何らかの不具合の出るものも多いと思います。

こういう時こそ、富士駒を使うと良いのですが。

無ければ、少しだけでも駒を高くすると皮に対する圧力も高まり。

多少緩めでも良く鳴ります。

そうそう!よく高さのある駒を使うと皮を痛めるのではないかとご心配の方もいらっしゃるかもしれません。

調弦した時にA弦でも9キロ近くの引っ張り荷重がかかります。

ですので、練習しないときには、ほんの一音下げてください。

それで2キロ近くの重さが減ります、木軸を一回転緩めればほぼ、荷重は0に近くなります。

これは、単に高さのある駒を使う時だけではあません。

出来る限り練習が終わったら、一音さげてください。

また新しい楽器はこの時こそ弾き込み時です。

私などは冬場に張ったものなど少し音が固いと、胴の裏から湿気を与えて、弾き込みます。

柔らかくなっていますから,なじんできてくれます。

ところで駒を高くする?

どうやって?

まさか皆さんが板を張るわけにもいかないですよね。

方法は、木の粉を使います。

たぶん皆さんお持ちだと思うのですが。

老紅木の駒、

これを犠牲にしましょう。

これを100番ぐらいの紙やすりでごしごしと擦ると、かなりの量の粉が手に入ります。

大変でしょうって?

いえいえ、非力な女性でもあれ!という間に粉が出てきます。

老紅木の駒は熱加工してあるようで、簡単に粉が取れるのです。

まず、捨ててよい紙の上に、瞬間接着剤を2滴ぐらい落とします。

するとちょうど、駒の底面くらいの大きさに広がります。

直径1,5センチくらい

駒を外して駒の底面をこの瞬間接着剤に付け、

紙の上に広げておいた老紅木の粉の上に乗せ良く押し付けます。

この押し付けるのは肝心です。

ハイ出来上がりです。

つかなかった粉を落として、二胡に装着し弾いてみましょう。

もう少しかなと思えばもう一回、

多かったなと思えば、紙やすりで底面を削ります。

簡単でしょ。





物は試し、この時期だからこそ、やってみてください。

まあ、これは小手先技ですね、

効果はあります。

しかし今この湿度の高い時には何かと楽器に気にかかるところが出てくるのも確かです。

またそのことを気にする方もたくさんいらっしゃいます。

でもこの駒を高くして音の鳴りが強くなることで解決する部分もありますので、

書きました

が!

駒など高くしなくとも、今この湿度の高い時は新しい楽器の弾き込み時です。

多少雑音があっても気にしないで、

良い音に鳴れと!思いを込めて、たくさん弾いてやってください。

楽器が成長する良い機会です。

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