台湾の脂松さんという方から前の項でコメントいただきました。
大事なことですから、こちらにアップさせていただきます。
以下いただいたコメントです。
脂松は駒にする場合は注意が必要です。含有する脂分が大変多い為に、そのままでは、駒と接している部分(ヘビ皮)に多量の脂分が移り、局部的に皮が緩みます。中国や台湾で購入出来る脂松駒は、触るとかなり脂分があってベトベトしています。拭き取っても内側から浸み出して来ますので、よほどきちんと脂抜きをしないと、安心して使うことが出来ません。
そうですね、台湾の脂松さんもそのような経験があるのですかね?その上詳しいですね。だいぶ御経験がある方なのでしょうか?
もしかしたらこれから私の書くことなどご存知かもしれませんが、
この文章読んでいる方のためにもなると思いますので少し書かせていただきます。
昔の楽器についていた松節は、夏場には多少べとべととするくらいですが、ほとんど問題の無いのもありましたし。
表面が硬化して全くべとつかないものもありました。。
又松脂もべとべとでどうしようもないというのはほとんどないと思うのです。
時間がたって表面の松脂が硬化したのか、あるいは最初から硬化させてあったのではないかと思います。
また、私が光舜堂でお客様に見せていただいたのは、べたつきはありませんでした。
松節にしてもいろいろあるのかもしれません
松脂は脂松などからとっていますね。
ヴァイオリンの塗料なども松脂とオイルの混合ですし、ワニスも昔はちゃんと松脂から作っていたようです。
熱をかけると、松脂は硬化しますね。内部の油分(テレピン油)や水分が飛んで固まります。
ただあまり強い熱それも直火ですと、焦げてしまったり、発火したりします。
ですから本当は、きちんと目の前でお伝えしたいのです。
「お前が熱かければよいと書いていたから、燃えてしまった」といわれるのも嫌ですが、
ただし私の工房は鉄を赤めたりする設備がきちっとありますから。
まあ、木が燃えてしまったで済みます。
が、皆さんのご自宅では危険すぎると思うのです。
ですからこのコメントにも熱をかけるというのを書くかどうかとても迷ったのですが、、、、
このキットの脂松で駒を造った方は、仕上げは、私がやるようになると思います。
何回か煮込んでみたのですが、当初は良いのですが、後からまた脂が噴出します。
まあ、良いのはやはり直火で、、、でも絶対にやらないでください。
後は、それこそヴァイオリンの塗料のように、オイルなり、で拭き込むか、
あるいはラックなどで表面だけを止めるというのも有効だと思います。
オイルは時間がかかりますが、ラックは、早いです。
まあ他にも方法があるかもしれませんが、私は熱をかけています。
そうそう脂松を削るときには私は塗料用シンナーを、あるいは灯油を紙やすりの耐水ペーパーをに付けて、
松脂を取り除きながら削り込んでいきます。
そうでないとあっという間に紙やすりの目が詰まってしまいますから。
しかし皆さんがシンナーなど用意するのは大変でしょうから、
皆さんにお分けする時にはクラフトオイル、これは知り合いが開発した木工用オイルです、
通常のオイルより乾きがとても早く8時間ぐらいで表面的には固まりますので、
また普通のオイルと違ってなんとなく油分でじめっとしたところがありません
これで皆さんにはやっていただこうかと思っています。
番手を上げれば、そのまま仕上げになります)これをみなさんにお分けしようと思っています。
くれぐれも、脂松の脂を出なくするために、駒そのものを直火にかけたりはしないでください。
作るにも扱うにも大変な手間のかかるものですが、松節の駒は良いですね。
ちなみに、松脂を蒸留してテレピン油を分離させたものが固形の松脂として販売されているそうです。