二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

7月17日(日)ビックリがいっぱい!!11:00~18:00

2011-07-18 21:09:26 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
毎日暑いですねー!!夏バテなどしていませんか?
店主とずえだーさんとワタクシは、夏を乗り切るスタミナをつけるべく、
日曜日の閉店後にニンニク料理を食べまくりました。
おかげで今日はすっかりニンニク女と化して、ココロナシカ108城のGUYSに避けられてる気が。。。

羨ましいことに店主はニンニク男化をほとんどしないそうです。
どうやら、その謎は、長年の木工仕事で培われた木材体質により浄化されているようで、
そういえば、夏場の108城は、鍛冶屋仕事の若武者達は体育会系なスメルですが、
木工の、大老モロさんと大殿様(店主)は、汗かき仕事をしつつも、いつも涼しげにしています。
うーん、うらめしや。
ニンニク女は同じものを食したはずの大殿様にまで「あっち行って」と、虐げられていたのでした。



では、暑い日の、熱い営業日の報告をば。


本当に朝からピーカンな3連休の日曜日。
「こんな日は二胡屋はヒマに違いない」
店主とワタクシ、タカをくくっていました。 事実、出だしはスローです。
開店準備を済ませると、ワタクシは花二胡を納品するために外出したのですが、
約40分程して戻っても、店内でまったりしているのは店主とずえだーさんだけ。
「今日はほとんど来ないんじゃない?」
そう言った直後、
秘密結社の会員Sさんと、同じく会員のTさんがご一緒にいらっしゃいました。

仲介中古二胡を持っていきますよ」と予告していて下さったSさん。
さっそく査定開始です。
「縞黒檀です」とSさんが差し出した二胡、
受け取った店主、突然笑い出しました。

「ほぉさん、これ、あれだよ、あれ!」

悪い木だから笑ったんじゃありません。
笑ったのはその二胡の樹の名前、以前工房で大ウケしてた『オバンコール』だったのです。
オバンコールは二胡材として、音色に厚みはそれほどは有りませんが、なかなか良い木です。
以前、舞音二胡ラインで、オバンコールの二胡を作ろうとしていたのですが、
樹種の名前が「女性に不評じゃない?」と、製作計画が座礁に乗り上げている樹種でした。
中国市場には縞黒檀の名で紛れ込んでいたとは。。。恐るべし、オバンコール。。。
Sさんは大ショック、Tさんには めっちゃウケてましたね。
でも、重ねて言いますが、二胡材として悪い木じゃありません。

その後、お二人は午後からの梅ヶ丘でのライブの時間までゆっくり遊んでいって下さったのですが、
新作の、旧名『ドデカゴン』・仮称『煮物の面取り野菜二胡』を試し弾きしたり、
同じく新作の、Y型駒のサンプルをお試しいただいたり、
午前中は本当にゆっくりでした。


その”ゆっくり感”が終わったのは正午過ぎ。
一番暑いであろう時間帯に、素敵な先輩、KiさんとYさんがいらしたのです。
Yさんは梅雨が明けたら張替える、と、とても良い皮を既にお取り置きしてあったのですが、
この日は「別の胡の張替えもしたい」と御来店下さいました。
お取り置きの皮が最高級品で、今回もかなり上質な物をお選びいただいたので、

「Yさん、2つも張替えるなら、絶対に秘密結社に入ってた方がお得だよ」

との店主の勧めを聞いてYさんが入会を決めると、Kiさんも入会して下さることになりました。
会員証の純銀のリングのサイズを決める時、お二人は真剣に選んでいて、その様子がとても可愛かったです。


そんな、入会手続きをしている最中、
3人組の若いお嬢さん達が入っていらっしゃいました。
初めてのお顔、先頭に入っていらしたMさんに声を掛けると、第一声、

「会員になりに来ました」

え?えええぇー?!

びっくりです。
初めての、予告無の、突然の、のご来店で、
入口で「会員になりたい」と告げられた方は初めてです!!

さてその3人組の皆さん、二胡を弾くのはMさんだけで、
ご一緒にいらしたお二人は付き添いだったそうですが、
”付き添いの方にも二胡を渡す光舜堂”ですから、そこはいつも通り、
お二人にも二胡遊びしていただきました。


その後いらしたのは結社会員のMさんと、初来店のSiさん。
お二人から、嬉しいアイスの差入れを沢山頂き (ありがとうございます)
さっそく店内のみんなでいただきました。
またMさんは、仲介中古二胡もお持ち下さいました。
査定をして、その後は二胡遊び。Siさんは初めての光舜堂に興味津々で、
卓上譜面台や、二胡の救急箱や、BB、といった、他の二胡屋には無いような物ばかり選んでました(笑)


その後は、知り合いの楽器屋さんNさん。
先日お会いした時に、一度二胡屋を見に来てくださいね、とお誘いしたら、
さっそくお立ち寄りくださいました。


さて、次にいらしたのは2度目のご来店の、長野県在住のMoさん。
初回はマイ二胡はお持ちにならなかったので、この日はマイ二胡の初調整。
まだお求めになってからそんなに経っていない新しい二胡でしたが、
店主の調整でとても弾きやすく変わり、ビックリしたようでした。


その後にいらしたのは、Hさん。
中古二胡の出物をチェックにいらしたのですが、
この日2把も出たというのに、まず弾きたいのは西野二胡、と、
チェックは後回しで二胡遊びです。
その後、中古二胡をご覧になりましたが、ピンと来なかったみたいで、

「私、自分が好きな音色はピンと来る方なので、出会いがあるまで気長に待ちます」

これ、とても良い姿勢だと思いました。
新品であろうと、中古であろうと、本当に自分で「これだ!」と思える物の方が、
後々まで愛着を持って大切に弾き続けることが出来ると思うのです。


その後、退院お迎えのFさん。
このFさん、本当に良い音色で奏でる方で、しかも気持ちよさそう。。。
店の奥で、ずーっと西野二胡を弾いていました。

このFさんが、帰り掛けに店内の筆ペンを見つめ、ニコニコ、モジモジしています。
? と思ったら、バッグから取り出したのは店主の著書『空の高さ』
きれいにOPPでカバーされ、どう見ても光舜堂で買った物では無い。。。

「買ってて下さったんですか?!」

「はい、初めてここで西野さんに出会う前にamazonで買ったんですが、
此処にも見覚えのある表紙の本が置いてあって、あれ?『西野和宏』って。。。?
あれ?同一人物?! ってビックリしました。だから、サインが欲しくって♪」

わー、すごい!!
今日はビックリな事が多い日です。
店主、照れながら「筆ペンは苦手」とサインペンで、例の”ミミズのたくり署名”をしてました。
(〇○さんへ って書いてたけど、ご本人に読めるのかなぁ。。。)


ビックリな事と言えば、
結社会員Aさん、2把用のかっこいい二胡ケースで登場したのですが、
片側を開くと、おもむろに取り出したのは白ワイン!!
お酒を二胡ケースに忍ばせていたとは、さすがAさんです。
よく冷えていたのでさっそく皆で、と思ったら、沢山人は居たのに飲める人が4人しか居なかった。。。
もちろんワタクシも頂きます。(最終的にはAさんと2人で飲んでたような???)
Aさんはその後に来店したKさんと香港・中国芸能界話に花が咲いてました。


そのKさんは、近々アメリカへ留学するということで、店主に会いに来てくれました。
アンビリーバボーな透明感ある音色で二胡を奏でるKさん。
彼が弾くと、中古二胡も、混み合った光舜堂の中でも一筋抜けて届き、
事務仕事をしていても、思わず顔を上げて見てしまう演奏です。
こんなに上手くて、奇跡のような透明感があるのに二胡は本業ではないのが信じられない。。。
西野二胡を奏でた際には、ずえだーさんはとろけてました。
短期留学だそうですが、しばらくは彼の澄んだ音色ともお別れです。


それから、西野二胡の検診でCさんご来店。
「なんだか不調で」と診てみれば、
弦に松脂がビッシリ付いてしまっていました。
店主が丁寧にふき取り、軽く調整をしたら元通り。

楽器をケースにしまうとき、
棹に松脂が付かないように布を巻いたり専用カバーを付けたりする方多いですよね。
店主自身は、自分の二胡には面倒がって布無しなのですが、
これは意外に盲点かもしれません。
棹だけではなく弦の方にも松脂が付かないようにと気を付けている方、意外に少ないかもしれませんね。
弦にも松脂が付かないよう気を付けるって、非常に大事です。
皆様ご注意くださいね!


その後、ご近所Saさんお立ち寄り。
ショッピングカートに二胡ケース乗せて、気軽に来て下さって嬉しいです。


同じくご近所のSeさんも、ホントに”ご来店”と言うより”お立ち寄り”がぴったりな表現で、
毎週のようにお顔を見せて下さいます。


更に、退院お迎えでKuご夫妻。
デンペンの修理で、光舜堂式に替えられたのですが、その出来に大満足。
この技術でこの修理代は安い、と、二胡弾きではないご主人も絶賛して下さいました。


最後は、Oさん。
光舜二胡#06をお持ちのOさんは、某有名楽器店に10年務めた二胡のスペシャリスト。
現在は独立されて、二胡教師をしていらっしゃいます。
この方の弾き込み練習量はハンパじゃありません。
見事に弾き込んで育て上げている音色。。。
正直、驚きました! うなりが違う。。。
お借りして#06を奏でた ずえだーさんは、
「凄い! 弾いてると音が額にぶつかってくる!!」と、ビックリ!
日頃店主が、

「二胡を良い音色にしたかったら、ひたすら”弾き込むこと”!」

と、伝え続けているメッセージの、Oさんは、いわば体現者です。
彼の持つ#06 ― 初期のこの二胡の製作時より、正直、現在の方が店主の二胡製作技術は向上しています。
しかし、Oさんの、ひたすら弾き込んで弾き込んで作り出した音色の凄さ!
ある意味製作技術は関係ないのだと実証しています。

ここからは、<光舜堂の二胡ユーザーさんへ>、

西野製作の二胡は、音色に特にデリケートです。
いろいろ駒や千斤を替えて音色をいじったり、
自己流で調整をした後では、その音の癖が付いてしまいます。
そうなると、Oさんのように弾き込んでも、この凄みは得られないと思います。
(それほど凄く成長するポテンシャルが元々有ります)
店主は製作時、その樹種の個性、更には1把1把の個性、に合わせてベストな工程を施して、
その楽器が、樹種に合った一番良い音色で鳴るように削り方を樹種ごとに変えて完成させ、調整し、
工房で作った中でも納得の出来る物だけを、日曜日の店頭に並べています。
更にお渡しの間際にも再調整しています。
ですから、もしも可能でしたら、
樹種の音色の個性をを活かした育て方をしたい方は、
出来る限り、いじらずに、

【 ”現状のまま”弾き込まれることが最善の、理想の成長過程コンディションである 】

と考えていただけると幸いです。



ということで、最後は、
凄くでっかく成長した胡のお里帰り、という、
実に夏休みっぽい締めくくりで閉店時間となりました。
ヒマかと思ったら、ところがどっこい!
また新しい家族の元へ旅立った胡までいて、
20人ものご来店の皆様、
今週もありがとうございました。
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6 Comments

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そうだったのか。。 (Jimmy翁)
2011-07-18 22:51:46
Suzyさんの心の叫びはこれだったのですね。

しかし、一体どうしたんでしょうか、この賑わい。急激ですよね。

こんなにたくさんお客様でいっぱいだと怖くて扉を開けられません。。。

敷居が高いです。
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そういうことなの (すう)
2011-07-19 09:44:04
こんにちは、招き猫のすうです。

きょうは、旧店番ズ演奏会だし暇かな?などと思いつつドアを開くと、果たしてお客さんはいらっしゃませんでした。
まず、連れの「コプラT」のシャムを診断して1週間の入院が決定。
次にわたしの「黒檀くんシマチャン」を見せたとたんに、西野さんが、「出た~、ほらほら~、ほぅさん、おばんコールでたー」とバカ受け、
なにも知らないわたしは、ただぼけーと見てるだけ、
「すうさん、これ黒檀でも縞黒でもなくて、オバンコールっていうコートジボワールの樹種だよ。それにこれ皮も塗装しているよ」
と、衝撃の事実が...
さすが中国、あなどれませんわ
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そーいうこと (すう爺)
2011-07-19 09:57:08
Jimmyさん
まっ、「オバンコール」っていう名前より。
「黒檀」として売ったほうが値段も上がるし、売れ行きもいいもんなぁ
調べたらそんなに悪い材じゃないし、ギターでも温かみのある、良い音とされていたし...

んでもって、皮も表面塗装されているとのことで、
あらためて、中国は侮れんなーと思った次第。
やっぱ、名前は大事だ!
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そそ (Jimmy)
2011-07-19 21:02:06
名前は大事ですよ。何でも良いってもんではないですよね。猫に犬という名前を付けられてもねぇ~。

うちの会社では社長が出席するNaming Commiteeってのがあるくらいです。

そういえば人間界では漢字の読みはなんでもよくて、『天使』と書いてアクマと読ませてもいいらしい。

もっというと『朝』と書いてよると読ませてもいいってことで、ならば
『たんすにゴン』と書いてオリヒメと読ませてもいいのかも・・・
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Jimmy翁さんへ (ほぉ)
2011-07-20 21:01:17
敷居が高い、なんて言わないでくださいよ~。
兄さんが居なくてサミシイ思いをしている人々が沢山待ってますよ♪
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Suzyさんへ (ほぉ)
2011-07-20 21:05:52
招き猫さん、沢山招いて下さってありがとうございます。
お家の許可が出るなら毎週おいで戴きたいものです。。。(笑)

それにしても、オバンコールは盛り上がりますねぇ!
光舜堂でも早急に製品化を再検討しようかな???
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