かわ遊び・やま遊び雑記

アユ・ワカサギ・ヒメマスなどの釣り情報と自然観察や山菜採りなど自然の中で遊び回った記録や雑記

本の紹介34:日本林業はよみがえる

2011年02月24日 | 


梶山恵司(かじやま ひさし)・国家戦略室内閣審議官が著した「日本林業はよみがえる(森林再生のビジネスモデルを描く)」発行所:日本経済新聞出版社(1800円+税)を読みました。
現在の民主党政権の林業施策をリードしている方の本なので人気があるためでしょうか、出入りの本屋さんに注文してから手元に届くまで随分と時間がかかってしまいました・・・(笑)

梶山恵司氏の林業関係のレポートや論文は数多く、シンポジウムなどでもたくさん語られていますし、日経ビジネスオンラインで連載もされていました。私は梶山氏が2004年の富士通総研時代に書いたレポート以降のほとんどを読んでいたので再読という感じの部分は斜め読みで飛ばして、5~6時間で読み切ってしまいました。

内容は、今までの日本林業の問題点(ダメさ加減)をズバズバと指摘しているものです。30年以上も林業行政に携わってきた私の心にはグサグサと突き刺さるとともに、「確かに・・・」と共感部分も多い内容のものです。
多くの林業関係者がこの本を読んで実践に移して「日本林業」をよみがえらせて欲しいのですが・・・、今の政局の混迷がどうなるのか心配ですネ。

 

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本の紹介33:いま里山が必要な理由(わけ)

2011年01月25日 | 


前回紹介した『新版 森と人間の文化史』と同じく、以前書かれたものに加筆した改訂版の本です。(最近はこういうのが多いのでしょうか・・・)

著者・田中淳夫氏が新たに付けた書名は『いま里山が必要な理由(わけ)』で、以前書かれた『里山再生』の内容を一新した改定増補版で、単行本スタイルに変更したそうです。

新しい本の帯は本の半分以上もある太帯で、帯の表には「里山とは何か?」「里山はどこにあるのか?」「なぜ、里山は魅力的なのか?」「世界が注目するSATOYAMAの入門書」と書かれています。


そして帯裏には「里山には日本人の心を引き付ける何かがある。その風景の中に身を置くと、どこか懐かしい気持ちになる。“癒される”という人もいる。・・・云々・・・里山こそが身近な自然であり、多様性が高く、美しい景観を生み出す貴重な空間として持て囃されるようになってきたのである。(本書「まえがき」より)」と印刷されています。

これだけで内容はお分かりでしょうが、大まかな目次を書いておきます。

【第1章】「里山の自然」はどこにある?
【第2章】「里山の危機」の正体
【第3章】 里山を取り巻く“自然界の掟”
【第4章】 人が里山にできること
【増 補】 里山は日々進化する

『いま里山が必要な理由(わけ)』・田中 淳夫 著・洋泉社・ 1,470円(税込)

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本の紹介32:新版 森と人間の文化史

2011年01月19日 | 


以前、このブログで「私が大学生だった頃、林学や森林生態学を学ぶ学生にとって四手井綱英教授や吉良龍夫教授と言ったら雲の上の人で、その講義を聞いたり、本を読んだりすることは憧れでした。」と書きましたが、影響を受けた先生がもう一人おりました。その先生が今回紹介する本の著者である只木良也氏です。

只木先生は1981年に『森の文化史』という本を書かれ、それがNHKの目にとまって市民大学講座『森と人間の文化史』という番組を担当されていました。この内容を1988年にまとめたのが『森と人間の文化史』(
NHKブックス)です。この本は22年間の間に17刷を繰り返すほど好評なもので、内容の一部は入試問題や高校の教材などにも使われていました。
そして、その本に加筆し、最新データなどを加えたものが『新版 森と人間の文化史』(NHKブックス)です。

初版から20年以上経っているのですが、内容的に今でも通用するものです。先生も巻頭で書いていますが「我が国の森林を取り巻く情勢は20年前に指摘した問題と大きな変革はなく、かえって悪化している」のです。

「グリーン・ニューディール」が打ち出されている昨今ですが、どうも「生きた緑」に目が向けられていない状況が続いているようです。代表的な緑である「森林」を今一度見直すために是非読んで欲しい本だと思います。

『新版 森と人間の文化史』・只木 良也
著・日本放送出版協会・1,050円(税込)


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本の紹介31:自然を守るとはどういうことか

2010年12月28日 | 

最近、色々な本や文献を読んでいて(特に里山関係)気がついたことが一つあります。それは引用・参考文献に、この本が頻繁に出てくることです。
私も以前に購入(昭和63年・1988年の第2版)して読んだ覚えがあり、その内容にはずいぶんと共感を覚え、影響を受けたものでした。

私のホームページ「かわ遊び・やま遊びのページ」を開設したのは2001年の1月1日ですが、ホームページの紹介文に以下のように書いています。
『このページは、かわ遊び・やま遊びを通じて、身の回りにある普通の自然を五感で楽しみながら、自然と調和した社会のあり方を無理なく学んで行くことを提唱しています。
人間は自然の恩恵を受けて生きている動物に他なりません。しかし、人間は「遊び」を行う動物です。遊びは心に潤いを与え、文化を創り、科学技術や芸術、スポーツを振興させてきたと言われています。
狭い視野の自然保護では無く、自然の本質を考えないアウトドアスポーツとかでもなく、自然の中での遊びを通じて、私たちの生活と密接に関わってきた豊かで多様な自然に目を向けてみましょう。』・・・と、けっこう影響を受けていますよね~。

最近は、頓に里山の価値を見直す風潮が強くなってきたように感じます。その証拠に里山関係の本や文献が多く出ているのだと思います。そして、そこに引用されたり参考にされたりしているのがこの本なのです。
1988年初版なので里山関係では古典といえる存在なのでしょうが、今も通用する・・・いや、今だからこそ、この本の底流に流れる思想が通用するようになったのかもしれません。


『自然を守るとはどういうことか』・守山 弘著・農山漁村文化協会・1,580円(税込)


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本の紹介30:害虫の誕生-虫からみた日本史-

2010年12月22日 | 

前にも書きましたが、小さい頃にイラガの幼虫に刺されてから私は大の毛虫嫌いで傍に寄れません。さらに蚊やブヨに刺されると大きく腫れ上がる体質で、近づけば直ぐにパチン・・・そしてゴキブリは女房殿が「キャー」で仕方なく私がスリッパでパンと・・・

ところが、この本の「プロローグ・《害虫》とは何か」を読むと、“かつてゴキブリは豊かさの象徴だった。群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリを「コガネムシ」と呼んでいたという。「コガネムシは金持ちだ」という野口雨情の童謡で歌われているのは、この虫のことなのだ。・・・中略・・・秋田県ではゴキブリを駆除すること自体が厳しく戒められていたという。おそらく食料が多い豊かな家にゴキブリが居つくことから生まれた風習だろう。”と書いてあるのです。

ここから、どんどんと引き込まれて読んでしまう本なのです。そして、かつての日本人は蚊をころさなかったとも・・・害虫という言葉は江戸時代には無く、明治以降に誕生したのだとも・・・。

そして、この本の著者は35歳という若い准教授で、彼自身の博士論文を土台に書き直したものだそうで非常に読みやすい内容です。値段も手頃なので環境史などに興味のある方にはお奨めの本です。

瀬戸口明久著・筑摩書房・756円(税込み)


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本の紹介29:里地里山文化論(上・下)

2010年12月07日 | 


「現代の人々が忘れかけている、自然の恵みに感謝する心と生活の知恵がある里地。また、今や希少となってしまった多くの生き物たちが里山。・・・中略・・・本書は歴史的な考察と広範にわたるフィールドワークをとおして、人と自然とが共存している美しい生き方に光を当てています。-(財)日本生態系協会会長 池谷奉文


「私たちはなぜ里山や里山と呼ばれた農村の風景に懐かしさを感じるのだろうか。それは村があり、田畑が耕され、川が流れ、生活や労働とともに展開してきた森が見える風景である。本書はこの風景のなかに日本の基層文化があることを見つけ出した。・・・中略・・・本書によって「里地里山」は懐かしさから、これからの自然と人間の関係を探るための指標に変わった。-哲学者 内山節

と言う推薦文につられて、里地里山文化論(上・下)を買ってみました。

里地里山文化論 ㊤循環型社会の基層と形成
里地里山文化論 ㊦循環型社会の暮らしと生態系

著者:養父志乃夫、定価:各2,625円(税込)、出版:農山漁村文化協会

買ってみてから気がついたのですが、ネットの書評にはかなり辛辣なものが幾つか有りました。例えばこの書評とか・・・この書評とか・・・

まあ、他の人の書評はともかく、内容的にはきめ細かな現地調査に基づいて書かれていますし、平易に書かれているので、さらっと読み進めます。里地・里山に興味がある方は一読してもいいかも・・・


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本の紹介28:森よ よみがえれ -文化森林学への道-

2010年11月02日 | 


学会誌「森林技術」を読んでいて何となく目にとまったのがこの本です。2年前の発行本だったのですが「面白そうな本だな。著者も有名な方だし・・・」と思って出入りの本屋さんに頼んでおいた本がやっと届きました。
「こんなに時間がかかるのなら出版元の森林技術協会に直接頼んだ方が早かったなぁ・・・」と思いながら数日かけて読み終えました。最近はブログやホームページに時間を取られ、老眼と乱視も災いして活字を読む速度が遅くなりましたねぇ~

「森よ よみがえれ -文化森林学への道-」の著者は北村昌美氏、発行は(社)日本森林技術協会で定価は1600円(税別)です。

協会の図書案内には「林業が危機に瀕し、荒廃していく森林をどうすれば救えるのか? おそらく、市場経済的な取り扱いをしてきた従来の林業・林学のなかで欠落していた何かがあるにちがいない。それは「文化」という要素にほかならない。」と・・・
そして「森林文化の視点から森の復権を図りたい、そんな願いから、この一冊が生まれました!!」とも・・・

著者の北村昌美氏は山形大学の農学部教授、中央森林審議会会長などを歴任された方で、日本人の自然認識や森林と文化の関係などについて数多くの著書を発表していますが、この本は「生産森林学」に基づいた林業は市場原理のもとに息絶えるのを待つばかりであり、荒廃していく森林を救うために「文化森林学」という新しい分野を提唱しているものです。


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本の紹介27:共同体の基礎理論

2010年09月24日 | 

共同体の基礎理論(自然と人間の基層から)は内山節氏が執筆した本で発行所である(社)農山漁村文化協会が「地域に生き、地域を担い地域をつくる人々のための実践の書」として刊行しているシリーズ・地域の再生(全21巻)の第2巻目となります。

『近代的な市民社会へのゆきづまり感が強まるなかで、前近代の象徴ではなく、未来への可能性として「共同体」が語られるようになってきた。

群馬県上野村と東京との間を行き来して暮らす著者が、村の精神に寄り添うことをとおして、自然と人間との基層から新たな共同体論を構想する』・・・と本の紹介がされています。

共同体は、封建主義のなかで人間が自然に緊縛され、土地に隷属している前近代的なものとしてとらえられていて、これを打ち壊し乗り越えて近代的にならなければならないと考えられていた。

しかし、近代的な市民社会も孤立や不安、ゆきづまりなど様々な問題が噴出してきた。今また、自然と人間が共生している日本の共同体の良さが見直され、これからの社会づくりの鍵として位置づけられ始めたと論じている本です。


ちょっと難しいけど、何となく頷ける本だと思います。

発行所:(社)農山漁村文化協会著者:内山 節、価格:2,600円+税


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本の紹介26:日本近代登山の祖・・・『登山家W・ウェストンと清蔵』

2010年09月14日 | 


待ちに待った本が出ました。「登山家 W・ウェストンと清蔵」がその本で、著者は地質学者であり前松井田山岳会会長・群馬県自然環境調査研究会顧問・前安中高校校長など多くの分野で活躍されていた小林二三雄先生です。

小林先生には、以前から自然観察等で何度かお会いしたことがあり、先生からウェストンと根本清蔵の話をお聞きし、若干の資料も見せていただいていたので、私のホームページ(ふるさとの山のページ風景と雑記帳ページの妙義山でも少し紹介させていただいていました

そして今年6月に、「登山家 W・ウェストンと清蔵」が「みやま文庫」から刊行されました。みやま文庫は会員制で配本されますが、以前に会員をやめてしまった私は単本で購入しました。
本代が1,500円、送料80円、代金振込手数料80円で1,660円となりましたが、内容的に素晴らしいので安い買い物でした。

英国の宣教師・ウォルター・ウェストンは日本に三度も来日し、日本アルプスをヨーロッパに紹介したことで知られ、日本近代登山の祖と言われています。
そのW・ウェストンが最も信頼した日本人山岳ガイドが妙義町生まれの根本清蔵なのです。そして妙義山の筆頭岩に日本で初めてザイルを使って登頂したことから「妙義山・筆頭岩が日本の近代登山の始まり」と言えるのです。

W・ウェストンに信頼され、単なる山岳ガイドではなく心を許したパートナーとしての根本清蔵について豊富な資料に基づいて書かれた本です。


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本の紹介25:アユを育てる川仕事

2010年08月26日 | 


 なぜ天然アユが大切なのか、天然アユを増やした全国の事例、天然アユを増やす技術、さらにはアユに関する最新の情報をわかりやすく記述した本が出版されました。

 書籍名は「アユを育てる川仕事」、執筆者はたくさんの研究者をはじめ漁協関係者、釣り人などで、編者が古川彰さんと高橋勇夫さんです。

 ぱらぱらっと読んでみると・・・全国各地のアユの減少理由として、冷水病、河川環境、天然アユ稚魚の減耗などが挙げられ、各地で種苗放流が盛んになってきたが、そのことが正しかったのかどうかを問いかけ、放流に偏った増殖策には限界があること、天然遡上の大切さを見直すことなどを提案し、天然アユを育てるための研究者、漁協、市民、行政が一体となった取り組みが紹介されています。

 私達の地元、碓氷川も今年は天然遡上アユが中・下流には大分上がっているのですが、天然アユに対する良い評価があまり聞こえてきません。それは河川環境が悪くて排水の泡が浮き、なんとなく臭う川ではアユを釣りたい気分にならないことも一因のようです。
 
水の綺麗な上流まで遡上するように河川の連続性を確保するとともに、下流でも誰もが釣りをしたくなるような川作りをしなければならないのですが・・・。

目 次
第1部 天然アユと漁協(理念)
    天然アユを増やす意味 など7章
第2部 アユを増やす各地の取り組み
    漁協が行う資源保全のための基礎調査 など7章
第3部 アユを増やす技術
    水辺の小わざ など4章
第4部 アユの科学
    アユの前半生 など8章
第5部 天然アユを増やすと決めた漁協のシンポジウム記録

BOOKデータの記述
「漁協、市民、行政がつくりあげるアユとの共存」
 全国各地の河川で天然アユを増やす取り組み、川の環境を保全する活動がはじまっている。
 アユに関する最新の科学情報を踏まえ、アユを取り囲む現在の環境と保全方法を、豊富な事例とデータを挙げて解説するとともに、河川環境の保全、漁協の経営、次世代への自然の遺産など、水産資源の維持にとどまらないアユを増やす意義と、地域において漁協が果たす役割を詳述しています。

「アユを育てる川仕事」、古川彰・高橋勇夫編、築地書館、3300円+


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本の紹介24:山でクマに会う方法(これだけは知っておきたいクマの常識)

2010年08月16日 | 


初版が1996年10月と少し古い本なのですが、先日の「くま手」は「熊手」の記事に関連して紹介しておきます。

ツキノワグマの研究に長年取り組んでいる著者が書いた本で、クマの生態、クマの能力、クマが人を襲う理由、絶滅に向かう様子などを詳細に伝えています。
「クマに会う方法=クマに会わない方法」なのです。そして運良く(運悪く)出会ってしまった時は、その対処法にも触れています。

でも実際は・・・私も経験したことがありますが、常にイメージ
トレーニングを積んでいないと簡単にはできませんよね!

最近、各地でクマの目撃情報がありますので十分に注意しましょう。


著者米田一彦(まいたかずひこ)、出版山と溪谷社、定価1300円(税込み)


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本の紹介23:不況の合間に光が見えた!(新しい国産材時代が来る)

2010年07月22日 | 

私の専門は一応林業なので、偶には林業関係の本の紹介をしておきます。三十数年ものあいだ林業行政に携わって(途中で水産行政を5年やっていましたが・・・)きたので、それなりに我が国そして群馬県の林業の行く末を心配しているのです。

特に最近、心配したり疑問に思ったりしていることは「本当に国産材の時代は来るのだろうか」「なぜスギ材の価格が上がらないのか」「長伐期と大径材生産は正しい方向性なのか」「伐採後の再造林放棄をなくす施策はあるのか」「作業道を作って間伐だけ進めていてもいいのか」「皆伐と再造林が林業の本筋ではないのか」「木材価格を上げる施策が必要ではないのか」「山に金を戻せる仕組みはないのか」等々です。


その疑問に少しでも答えてくれたのがこの本でした。2日ほどかけて読み終えて、少し納得し、少しもの足らないというのが率直な読後感ですかね!


『不況の合間に光が見えた!新しい国産材時代が来る』

 目 次

 はじめに ― 霧の合間に何が見えるのか? ―
 第1章 大手住宅メーカーの国産材シフトが始まった

 第2章 「束の間の国産材時代」から見えたもの
 第3章 大型化する国産材製材工場第4章 充実する森林資源を使いこなせるか
 第5章 山側が解決すべきこと
 第6章 不況という霧の先にあるもの
 あとがき

(著者:遠藤日雄、出版:日本林業調査会、価格:2,000円税込み)

筆者曰く「木を伐ったら伐ったなりに実入りのある森林・林業に転換させるためには何が必要なのか? それを議論したのが本書です。」

新しい国産材時代が日本の森林・林業に来ることを切に願ってやみません。


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本の紹介22: 地球温暖化と昆虫

2010年02月24日 | 

この本の編者の一人である湯川先生からメールが届き「昆虫を通して温暖化の様々な影響が我々にも及ぶことを多くの人々に知って頂きたいと思い本書を企画致しました。」とのことでしたので、さっそく購入してみました。



桐谷圭治氏と湯川淳一氏が編者となって19名の研究者が執筆した地球温暖化の影響に関する昆虫研究の最前線を紹介している本です。昆虫学研究者・農業関係の研究指導者・昆虫愛好家などの読者を想定して編集されていて、けっこう専門的な内容なので読みきるには努力を要しそうです。

【目次】
第1章:温暖化の現状と東アジアの気候
第2章:分布域の変化
第3章:発生の早期化、季節との同時性
第4章:侵入害虫
第5章:越冬の生理機構と温暖化
第6章:世代数の増加と個体群密度
第7章:異常発生と絶滅
第8章:高温障害
第9章:植物を通しての影響 -CO2濃度の上昇による植物~昆虫相互作用の変化-

発行所:全国農村教育協会 価格:4,725円(税込)

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本の紹介21: とめはねっ!鈴里高校書道部

2010年01月21日 | 
本というより漫画・・・河合克敏さんが、高校の書道部を題材に描いたコミックです。
私はまんが好きで、これ以外にも現在読んでいる単行本のコミックには「クロスゲーム:あだち充」や「総務部総務課・山口六平太:林律雄 ()、高井研一郎(イラスト)」などがあります。



「とめはねっ!鈴里高校書道部」は一昨年から読み始めて、けっこう面白いので読み続けて現在は第6巻まできました。



書道に関する監修協力は武田双雲先生で、書道を少しはやっている私(一応、師範の免状は持っているのだ!)にとって何かと役に立ちますね(笑)。


内容は多くを語らなくても大丈夫でしょう。今年の1月7日から毎週木曜日夜8時にNHKドラマ(連続6回)で放映されていますから・・・そして今日21日は3回目の放送日です。
しかし、NHKですよ?・・・これで書道をやる子どもたちが増えたら良いのだけどね!


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本の紹介20:虫捕る子だけが生き残る

2009年12月30日 | 

私は某中学校の後援会の会長をかれこれ8年ほどやっています。後援会と言うのは地域の人たちが中学校の部活を中心に後援している組織なのですが、卒業式に出たり入学式や体育祭で挨拶したりと結構仕事があります。特に大変なのが卒業・進級シーズンに発行される生徒会誌への寄稿があります。
今年は何を書こうかなと思っていたら
グッドぐんま(こにタン)の「虫捕る子だけが生き残る」の記事が目にとまって、この本を題材に毎年同じような内容なのですが、下のような文章を書いてみました。(こにタン、ありがとう。早速、本を買いました)



この文章で本の紹介に替えてしまいますね。

『先日、怪しげなタイトルに興味を引かれて読んだ本がありました。主題は「虫捕る子だけが生き残る」で、副題は「脳化社会の子どもたちに未来はあるのか」と付けられていて、虫好きの三人が対談している内容です。その三人とは「バカの壁」で有名な解剖学者の養老孟司さん、生物学者の池田清彦さん、仏文学者で日本昆虫協会長の奥本大三郎さんです。

それぞれの分野で名をなした人たちですが、共通点は虫捕りが好きということなのです。その虫好きのおじさんたちの言いたい放題が三章から構成されている本で、第一章のタイトルなどは「虫も殺さぬ子が人を殺す」となっていて少し大げさすぎる部分もあるのですが、現在のように子どもたちが山や野原や川で遊ばなくなって、本や映像だけでのみ断片的な知識を得ることが出来ても実体験や実感が伴わないことを嘆いている人たちの共感を呼ぶ内容の本です。

確かに、最近は虫捕りと言っても、その対象がカブトムシやクワガタといった人気のある虫だけで、それも山に入って捕ってくるのではなく、どこかで買ってくるとか街路灯の下で捕まえるということが多くなっているようです。



ですから、虫がどんなところに棲んでいてどんなものを食べているかが分からないから上手く飼うことが出来ない。
どのようにして捕まえるかも知らないし、手を挟まれたり刺されたりしないような持ち方も知らないから上手く捕まえることができないということになります。
さらに、野外では目的の虫以外に毒針を持ったハチや毛虫などがいますし、ヤマウルシのようにかぶれやすい植物も生えているのですが、その危険性をよく知らないから被害を受けやすくなってしまうということもあるのです。

「危険だから、山や川になんか行かない方が良いんだ。ムシキングや虫捕りゲームで遊んでいた方が良いよ。」と言う声が聞こえて来そうですが、本当にそうなのでしょうか?

この三人はこう言っています。「山に入って虫を探して捕る、水田でヤンマを捕る、池や沼をのぞき込んで虫や小魚を捕るということは自分で考え工夫をして実行するということ。そしてカンを働かせ、気配を感じ、じっと我慢して、すばやく的確に動くと言った様々なことが必要とされ、これらは本来人間にとって必要なものなのだ。」と、さらに「標本を作ることによって器用さが養われるし、美意識やセンスが育つ。虫について調べることで文章を読み、考え、不思議に思い、学問の世界に入っていくのだ」と・・・。

虫に限ったことではなく、山や川や野原など自然の中で動物や植物などを追いかけたり見たり実際に手に取ったり、魚をすくったり釣ったりすることによって生きた学習ができるのだと思います。
もちろん、学校での勉強や部活動は基本的な知識や体力を付けるためにはとっても大切なことです。ぜひ皆さんには学校での勉強や部活動に頑張るとともに、さらに一回り大きな人間となるために時間を見つけて自然の中でもいろいろな活動をしていって欲しいと思います。』

虫捕る子だけが生き残る-「脳化社会」の子どもたちに未来はあるのか-
小学館101新書:養老孟司・池田清彦・奥本大三郎 著、価格735円(税込み)

なお、中学校生徒会誌への今までの寄稿文はこちらに掲載してあります。気が向いたらご覧ください。


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