農林水産業関係機関成果発表会の概要の最終回はアユ関係を3課題・・・
最初の課題は、新潟県内水面水産試験場の「新潟県における近年のアユの再生産状況」について・・・
新潟県の内水面漁業調整規則では産卵期のアユを守るため秋季のアユ禁漁期間が10月1日~7日になっている。 ところが、近年はアユの産卵や遡上の遅れが報告されているため、そうした生態変化に対応した適切な禁漁期間は何時なのか能生川、海川、五十嵐川の3河川において調査した・・・
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3河川の流下仔魚調査から産卵時期を推定すると、能生川での産卵は10月上旬以降の1か月、海川も10月上旬以降の1か月、五十嵐川では9月末~11月上旬と思われる。 このことから流下仔魚の大部分は10月上旬に産卵されたものと推定できる!
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一方、能川に遡上してきたアユの耳石を調べたところ孵化した日が10月下旬~11月中旬の個体が多く見られ、産卵日を積算水温で推定すると10月中旬~下旬であった。
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つまり流下仔魚調査での産卵盛期は漁業調整規則の禁漁期間とほぼ一致するが、遡上アユの推定産卵日はズレているという結果であった!
産卵最盛期に産み付けられ孵化して日本海に流下したアユ仔魚は、その時期には未だ海水温が高くて塩分に耐えられず死滅してしまったのではないかということらしい。 温暖化の影響なのかね・・・
もしそうだとしたら禁漁期間の変更もしくは延長が必要となる・・・
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ただし、この調査は単年度の結果であるので更なる調査が必要であるとのことだった!
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次は「アユの系統による外部形態の特徴は? ~プロポーションの違いを探る~」について・・・
海産系と群馬系のアユのプロポーションの違いを比較した試験研究らしいが・・・
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難しすぎて良く分からなかった・・・
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この判別関数と今まで言われている鱗数、鰭軟条数、下顎側線孔数と配列の情報を加味するとさらに制度が上がるということだった・・・
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鱗数、鰭軟条数、下顎側線孔数と配列だけでも好いような気がするけどな・・・
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次は山梨県水産技術センターの「費用対効果に優れたアユの放流時期とサイズの検討」について・・・もっとも興味を魅かれた課題だった!
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何処の県もご多分に漏れず冷水病、カワウ、河川環境などによってアユ遊漁は不振が続いている・・・
遊漁料収入は減少の一途をたどり放流量の減少に繋がっている・・・アユ種苗は重量単価で取引され、放流単価はあまり変わらないので放流尾数は大幅に減っている。
そこで放流サイズを小さくして放流尾数を増やすことが出来るか、そのリスクはどうか、費用対効果はどうなのか検討してみた・・・
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まずは長期にわたって釣れるように特性の違った2種類を放流することを提唱・・・
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放流密度は2,6~4.7尾/㎡が最も釣れるんだって・・・
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小型を早期に放流(もちろん10℃以上に水温が上がってからだよ!)、通常放流、成魚放流の三種類で試験をした・・・
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結果として・・・
①放流コストが最もよかったのは185円/1尾で通常放流は倍以上、成魚放流は高すぎ!・・・
②回収率は小型と通常が同程度、成魚放流はかなり低かった・・・
③釣獲魚の大きさは3種類とも大差はなかった・・・
④時間当たりの釣獲尾数(CPUE)は小型早期が2.38と最も高く、普通が1.13、成魚は0.18と非常に悪かった・・・
⑤小型早期の成長量は人工飼育とさほど変わらず大きくなっていた・・・
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以上の事から「小型早期放流」は費用対効果に優れた放流方法であることが明らかになった!
さらに、冷水病フリーアユの放流、2種類の放流、集中放流、良好環境地域への放流を組み合わせれば良い結果が望める可能性が高いのだ・・・
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問題は群馬県でこの方法が採用できるかどうかなのだけど・・・現在、群馬県産で出荷されている種苗は、水温が安定したころには10g以上に育って小型と言えないものなので、そこから変えていかなくてはならないだろうな!
この発表とは真逆に、アユの特性なんて考えず、安いと言うだけで種苗を購入し、環境を考えずに1尾/㎡以下の分散放流して、失敗すれば成魚放流をしている漁協も散見できるのだから、アユがたくさん釣れる川が少なくなってしまったのだろうな・・・
他に冷水病関連が2課題あったけど長くなるので割愛させてもらう・・・
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