以前にも取り上げたけど、山形県小国川漁業協同組合の沼沢勝善組合長が2月10日に自ら命を絶たれてしまった。内水面漁業の漁業権更新認可を盾にダム計画に対する話し合いの場に出席しなければ漁業権を更新させないというもので、組合は渋々協議の場に出ることと引き換えに更新認可をしてもらった。そしてその協議の場で何が話し合われ何が行われたかは公表されていないけど、協議に疲れ果てた組合長は・・・
一か月も前のことだけど、この事件の総括的な記事が2月27日の朝日新聞の社会面に載っていました。横長の記事で縮小しないと貼り付けられないので少し見辛い(↑)ので半分ずつ掲載です。右半分・・・
左半分・・・
実は、このダム問題は随分前から有って、10年前の平成16年に群馬県で開催された「日本一のアユを取り戻す全国の集い」にも沼沢組合長に出席していただき、組合自体が建設業者との関係を正し、ダムに反対し、他の治水策を提案し、アユの放流種苗をどうするかなど熱く語ってくれたのでした。詳しくはこちらをお読みください。
その講演の時に語った組合長のお話の抜粋です。
『今、小国川上流の赤倉地区にダム建設が計画されていて、平成16年度まで環境調査ということになっています。計画されているダムは、治水専用のダムで、水を貯めない穴あきダムです、堤高が46m、堤長300m、180億円で建設するということです。
常には水を貯めないで、雨が降って増水したときに調整するダムなので鮎や魚族に影響はないと言っているわけでありますが、増水することがなくなれば下流では川底が悪化しやすくなります。流れがゆるくなると石と石との間に砂が詰まる、石が転がることもなくなる、石についた藻は腐ってしまう、適当な出水は石を押し流し石の表面を洗い古くなった藻をはがす、新鮮な藻が生える、生態系の循環に活力を与える、カジカ等は浮石の状態のところにしか棲めない、生物にとってある程度の流速、流量の変化は必要なのです。赤倉温泉地区の数戸の温泉旅館と10数戸の民家を洪水から守るだけの治水であります。ダムのほかに治水の方法はあるのです。まず河川拡幅です、右岸側の住民は拡幅に協力すると言っているのです。ダム建設にこだわっている理由は分かりません。私たちは、この不必要なダム建設に断固反対していきます。』
沼沢組合長の遺志を継いだ運動は今も続いています。
キャンペーンサイトはこちらをクリックしてください。『 東北一の鮎釣りの清流、最上小国川にダムをつくらないで!』
何だ、木の事とは関係ないじゃないかと思われるでしょうが、森林そして樹木が養分を蓄え、それが河川に入り、海まで運ばれて海の生き物が育つのです。そしてアユももちろんその恩恵に与っているのです。川はただ安定した水が流れていれば好いのではなく、養分が水によって運ばれやすいように、そして遡上してくる魚が昇りやすいようになるべく構造物が無いほうがいいのです。さらに時々出水があって川岸に貯まった養分や土石が運ばれ、川に瀬や渕が作られ浮石などが有った方が川の生き物の生息環境にとってはベストなのです。それを「ダム有りき・・・」では無いと組合長は言い続けていたのですね。これからは環境に優しい公共事業が増えて来ないとねぇ・・・
組合長をここまで追い込んでしまった交渉の場で何があったのでしょうか? また、イジメやパワハラによるこのての事件は各メディアが大々的に取り扱っているのに、この事件の記事が少なかったのは何故なのでしょうか?
そして、「沼沢組合長追悼 アユ釣り大会」を小国川で開催できないかなぁ・・・と言う声も仲間内では出始めています。
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