群馬県でも、とうとう今年になって「ナラ枯れ」が発生してしまいましたが、ナラ枯れにいたるメカニズムは非常に複雑なのです。
体長5mmという小さなカシノナガキクイムシという昆虫がミズナラなどに集って集中的に幹を齧り孔を開け、その坑道内に卵を産み付けます。その時に下の写真のように沢山の細かい木屑を出します。
しかし、それだけでは木は枯れないのです。カシノナガキクイムシに付着していたナラ菌という菌が樹幹内で繁殖すると道管などの組織が壊されて、水が吸い上げられなくなって急激に枯れてしまうのです。
このカシノナガキクイムシの食べ物はキクイムシと名前は付いていますが木ではなく、幼虫も成虫もナラ菌と共生する酵母というのですから複雑すぎますね。
このように、最近は色々な研究で昆虫と共生する微生物の世界が少しずつ明らかにされています。
例えばシロアリの腸の中にはセルロースを分解する微生物がいるそうですし、植物を食べるカメムシの腸内にも栄養を供給している共生細菌がいるのだそうです。(そう言えば人間の腸内だって・・・)
ハート型の紋を背負ったエサキモンキツノカメムシは卵を守ると共に腸内細菌を子に渡しているのだそうです。
そしてマメ科の大敵であるホソヘリカメムシは土壌中から共生細菌を取り込んでいるのだとか・・・
生き物の世界は分からないことばかり、そして面白いことばかりですね!
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