三谷和夫:百歳の君の通夜なり我は宿に遠く偲びて酒少し飲む(新アララギ2014.8)
佐々木フミ子:先生の待たるる思ひに歩の軽し雨の青葉のみ墓へのみち 宮路先生展墓(新アララギ2014.8)
細田雄子:この重き歌集に思ふ恙あれど五感たしかに生くるわが身を 明石海人歌集(歌会2014.8)
木村和子:和種のたんぽぽ墓の廻りに増えておくれ友の携へし綿毛を飛ばす(新アララギ2014.8)
千葉照子:宿屋より百段降りて岩風呂あり阿武隈の谷に楽翁愛でし(歌会2014.8)
須田博:指示されて日の丸振りて万歳と征く人送りし昭和の子供ら(歌会2014.8)
今野英山:歌にあひて八年過ぎぬ七百余首選(よ)りわけて見るわが生の跡(新アララギ2014.8)
高橋毬枝:奥つ城の標(しるし)なぞりて浮かび来ぬひとたびのみの強き握手を 宮地先生(新アララギ2014.8)
小熊宗克:散り際に美学を持たぬ為政者に大和心を求むる空しさ(歌会2014.8)
山崎日出男:庭の芝刈り終へ憩う昼つ方鮭焼く匂ひ隣家より来る(歌会2014.8)
麦島和子:*花満つる桜木の下手をひかれ歩む媼の面輪穏しき(新アララギ2014.8)
岸野トモヱ:長門にて氏残したしと祖の願い筑紫に移るを如何に思うや(歌会2014.8)
大倉康幸:*近くでもきっかけが無く行きづらく用事が出来て堂々と行く(新アララギ2014.8)
小那覇暁美:*オレンジに染まるガラスの高層ビル真っ赤なんだろう見えぬ夕陽も(歌会2014.8)
前澤重成:藪歩き草をかき分け飛び退(すさ)る足元に一つまむし草咲く(歌会2014.8)
相川盈子:*JAXAにて買いし子どもの宇宙服つるして待ちぬ孫の誕生(新アララギ2014.8)
宮本通代:水張田に逆さ筑波に早苗ゆれ田植え終はりて静けき朝(新アララギ2014.8)
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