< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:上高地に老いて初めて泊りたり昼より朝を夜を見るべし(新アララギ2017.12)
佐々木フミ子:我が読むを点訳してゐる友の指「白鳥の湖」奏づるごとく (新アララギ2017.12)
木村和子:土の上にやや肉厚の葉を置けば縁(へり)よりハカラメ幾本も立つ(新アララギ2017.12)
須田博:生(あ)れしより休まず働く我が脳の皺幾筋か数へて見たし(歌会2017.12)
千葉照子: 激流の賀茂川の岸に蒼鷺は立ちつくし居り台風の中(歌会2017.12)
今野英山:米軍の迫りし時に住民は白旗あげて島を守りき(新アララギ2017.12)
高橋毬枝:墓石を越ゆる荒草抜き続けこれで最後と子は手を合はす(新アララギ2017.12)
山崎日出男:信玄が野戦に喰ひしはうとうを甲斐の旅路に吾も味はふ(歌会2017.12)
麦島和子:*ひたむきに葱の改良続けし亡父甘く柔き葱を作りぬ(新アララギ2017.12)
岸野トモヱ:*ほんのりと流れるお香に惹かれ入れば和紙和小物の旧き呉服屋(歌会2017.12)
大倉康幸:*誰からも批判の出ない結論が出ぬから今日もああ多数決(新アララギ2017.12)
相川盈子:*柏槇は森のごとくに茂りおり犬枇杷までも着生させて(新アララギ2017.12)
宮本通代:ミサイルが花火だつたらいいのにと小一の男子の一行日記(新アララギ2017.12)
葛岡昭男:*コスモスの花言葉何故か切なくて遠き初恋ひととき思う(新アララギ2017.12)
渡辺澄子:*スクリーンにパンダの香香(シャンシャン)現れれば夫婦のもめも笑みで静まる(歌会2017.12)
石川芳江:*共働きの子に送る宅配便風邪に注意との一筆添える(歌会2017.12)
立川多喜子:ガラス戸の外に下がれる青き糸瓜子規の視線をそのままに見る(新アララギ2017.12)
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