手賀沼アララギ短歌会

千葉県我孫子市で開催している短歌会のブログです。一緒に短歌を楽しみませんか。

会員の作品(2012年11月)

2012年12月10日 | 会員の作品
三谷和夫:街の誇る沼の底土セシウムのベクレル高きを語る人なし(新アララギ2012.11)
佐々木フミ子:蝉の声聞かざる今年の我が庭にけふ再びの放射能測定(新アララギ2012.11)
細田雄子:子規の旅知らず通ひしこの通学路相野谷川の水も濁れり(新アララギ2012.11)
小口勝次:車いすに乗る人手押し車の老女たちとすれ違ひつつわれは歩む(新アララギ2012.11)
松本ゆき:潮騒に目覚めみはるかす暁(あけ)の空今昇る陽の雲間の輝き(歌会2012.11)
木村和子:臨床にわが忘れ得ぬ熱中症昏睡の人をひたすら冷やしき(新アララギ2012.11)
坂巻志津江:かく縒りて歌稿綴ぢたる日もあらむ父の机よりこより出できぬ(歌会2012.11)
須田博:老い二人その日の話題さしてなく昔の思ひ出ただ繰り返す(歌会2012.11)
今野英山:父の死に涙流れず母臥せば胸に湧きくる思ひの数々(新アララギ2012.11)
高橋毬枝:岩窪に在しし千五百羅漢様似し貌探し楽しみつつ下る(新アララギ2012.11)
小熊宗克:古本の百円均一コーナーに昭和の文豪ら肩並べをり(歌会2012.11)
山崎日出男:こほろぎの鳴く音窓辺にしげしなり耳鳴りと違へる老いを嘆きぬ(歌会2012.11)
岸野トモヱ:秋日和に引き出しに亡き母の手縫いの羽織我は見出でぬ(歌会2012.11)
金井加代子:雲ひとつなき青空を車中より眺めつつ夫と教会に向かふ(歌会2012.11)
大倉康幸:美術展の季節近づきて絵を描かぬ我も何だか心浮き立つ(歌会2012.11)
小那覇暁美:幾たびも繰り返しいる母の言葉呪文のように聞こえて来りぬ(歌会2012.11)

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