< *印 新仮名遣い>
三谷和夫:あす退院の牧師と夕べ語らへり罪と愛またキリストと神を(新アララギ2018.10)
佐々木フミ子:「同じことどの夫婦にも言ふ医者」と待合室に和める会話(新アララギ2018.10)
木村和子:マイホームは田を埋めたる団地内ウシガエルの声ひびきゐたりき(新アララギ2018.10)
須田博:雷(らい)様に臍取られると蚊帳に入り「桑原」唱へし幼き日のあり(歌会2018.10)
千葉照子:鉱脈の重なる布の如きさま抽象絵画の構造とせむ(歌会2018.10)
今野英山:小さきより始めるべしと父言ひきいまも忘れず相応に生く(新アララギ2018.10)
高橋毬枝:三十五度の日々を落ち着きなく過ごす詠む歌一首も途切れ途切れに(新アララギ2018.10)
山崎日出男:のろまだが一つひとつを丁寧に熟(こな)し過ぎ行く老いの日々なり(歌会2018.10)
麦島和子:*夕間暮れ公園に遊ぶ子らの声に替わりて響くうぐいすの声(新アララギ2018.10)
岸野トモヱ:*強風に朝顔の紐引きちぎれ蔓絡みあい花いまだ咲く(歌会2018.10)
大倉康幸:*物事の核心見極め突き進む見掛けは廻り道に見えても(新アララギ2018.10)
相川盈子:*人参を抜きつつ思う昨夜の試合ゴールを決めし本田の顔を(新アララギ2018.10)
宮本通代:ご近所の仲間五人と旅に出でぬかつて若妻会のメンバーなりき(新アララギ2018.10)
葛岡昭男:*遠き日に抽選に漏れし公団は老人ばかりの住居となりぬ(新アララギ2018.10)
丸山さち子:*稲妻が近づき夜空に光るとき「ラ・カンパネラ」を聴くボリューム上げて(新アララギ2018.10)
立川多喜子:絶え間なき豪雨の被害に故里の土砂に潰えしわが家よみがへる(新アララギ2018.10)
戸田邦行:*あの時と同じ過ちせんがため言葉に託す「頼って欲しい」(新アララギ2018.10)
鈴木英一:原爆の式典会場だけでなく祈る人あまた橋のたもとにも(歌会2018.10)
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