11月14日

2006-11-14 20:46:13 | Weblog

 
    恐らくは降れば雪なる七竃   石昌子

 久々に古巣のレッドポニー句会の句の紹介
  (昭和57年12月号句会報より)

 田中茶能行(主宰)

   小春日や鍋釜修理路地ふさぐ
   風花は華やか花のない季節

 湯浅辰巳(沖)

   豆拾ふ鳩を見てをり暦売
   稲架解かれ自由となりし竹の反り
   風花のひとつまみほどかたまりぬ

 須賀余年(帆船)
 
   風花は地にはとどかずカモメ来る
   野には野の淋しさ枯れるものふえて
   一行の日記をしるし終りとす

 坂井良一

   栄転の荷造りせわし雁わたる
   日当たれば運河に光る浮寝鳥
   界隈に明治の見ゆる一葉忌

 真木弘子(秋)

   隣にも供花くれてあり冬墓苑
   天涯の文ちりぢりに風花す
   ブロックを越へて隣家の木の実降る

 大政たつを

   枯野行く最終便の無人バス

 冬木一幸

   はりはりや父は自慢の歯を持ちて
   さやあずき砧のごとくたたきをり
   風花のあとかたもなき光かな

 谷矢須子
   
   木枯らしに耳裏さらし橋渡る
   遅れ咲く北の校舎の枇杷の花

 大政我人

   風花の眉にとどまる植木売り
   薪を割る巡査非番の冬構

 宇佐美野仏

   喧嘩独楽勝てば両手で掬ひをり
   短日の海に向かひて忠魂碑

 秋野裕理

   叱責に黙してつつく鍋の底

 あすか寛風

   風花や比叡おろしの人とだえ

 宇佐美寛歩

   風花や踊子塚にふれて消ゆ
   同郷と知りて大工の長焚火
   出番まで孫のことなど里神楽

 

   


 

コメント (2)
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