11月6日

2006-11-06 00:23:28 | Weblog


  ピラカンサ (橘もどき 赤塚植物園)

 11月句会も終わり連衆の講評を聞いていて自分の
 選句の能力の無さを嘆くばかり・・・・
 いや、それだけ佳句が多かったのだと思う。

 採りそこなった佳句の鑑賞

   子を叱る声がつつぬけとろろ汁 

 何人かの子供とお母さんと卓袱台が見えます。
 真中にはとろろをすったすり鉢。
 「ほらほら、ちゃんと食べないと口の周りが痒くなるよ・・」
 「あ~あ、お箸が落ちたじゃない!」
 「手、洗ってらっしゃい!」
 既視感というより、子供の頃の我家を垣間見た思い。
 いつもながら季語の斡旋がうまい作者です。

   早漬の大根かぶらや通夜の席 

 通夜ぶるまいの景。一般の弔問のお客さまにでは無く読んだ。
 小働き、お手伝いの人へのちょっとしたお茶請けなのだろう。
 このお句も早漬けという鮮たるものと人の終焉との取りあわせが
 良い。作者の意識ははかり知れないが
読者としては惹き付け
 られる。私の余計な提言から、なお推敲されたようです。
 作者の熱心さに頭が下がります。

   途中から数へる貨車や大根畑 

 このお句の良さは、大根畑とそのまわりの景色の雄大さを
 貨車の長さに託したことだろうと思う。
 読み返すたびに本選に逃したことが悔やまれる。

    青々と修道院の大根畑 
   
 初見では青々が必要なくも感じた。しかし作者の目には
 そう感じとった感覚がある。一つ一つの色であり、全体の色彩。
 そこには光もある。佳句だと思います。

   まろび出るやうな大岩紅葉山 

 まろび出る(今にも転げてきそうな)大岩。
 峡谷の紅葉。自分の語彙不足で採りこぼした大景でした。
 
 

 

 

 
 

コメント
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