9月29日

2008-09-29 00:08:31 | Weblog

      ( 石榴の実 )

 

露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す      西東三鬼

 

石榴の実吸ふやたかだか四十年       辻桃子

 

石榴裂け吾が中に濃き鬼子母神       野見山ひふみ

 

昨日寸前今日また寸前熟れ石榴        林 翔



    ( 実石榴のどの面ざしも印象派    ころころ )

 

 ☆ 調べについて (俳句創作の世界・2章・平井照敏)

調和のとれたひびき

音楽の三つの要素はリズム、メロディーと和音だといわれます。

メロディーにあたるものは、俳句では何になるでしょうか。俳句は短いので

メロディーとよべるようなものを作り出す長さは有りませんが、しいて言えば

調べがそれにあたるのではないかと思います。和音はいくつかの音の調和の

とれた響きですから、季語のところでも触れてきたことがそれにあたるとも

言えましょう。そのほか句の言葉のもつ母音、子音の響きあいの美しさの

ことも考えられます。言葉の音色の調和ということですが、しかし、一句は一つの

有機体ですから、リズムも音色も、互いに助け合って、一句の調べを生み出す

のに役立っているはずです。私が何年か俳句を熱心に学び、かなり上達した

時に,師の加藤楸邨は「君がこれから考えなくてはならないのは,調べの問題

だ」と示唆されました。調べが俳句の高度な段階であることがわかります。

コメント (4)
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