( レタス )
月光の蒼く滴るレタス畑 久松久子
巻き固きレタスほぐして夕長し 岡本眸
レタス沢山洗い遅日の手がきれい 池田澄子
独り言
屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子
この句の屠蘇散は元旦に飲む長寿の漢方薬。ころころは昭和25年生まれ
団塊とは少し遅れてこの世に吐き出されましたが、大括りに言えば戦後っ子
そろそろ、親の事、子供の結婚、出産、孫の事、連れ合いの事,仕事の事。
色々な事から開放されてもいい年代なのに、反って繁忙となる。
心の中では誠にうっとうしいと思っても、それが出せないのは、身内と思って
いるから。血縁で言えばそうなるが、池田澄子曰く。自分以外は他人。
そう思えば,その存在も有り難く嬉しい。
なるほど他人には不思議と優しくできるのです。
腐りつつ桃のかたちをしていたり 池田澄子
こんな句のような自分でいたい。