10月 23日

2020-10-22 14:23:17 | Weblog
                        柿干す・吊し柿・柿すだれ


     雪来るを待つとしもなく柿干して        細見綾子


     柿干すや軒の蜂巣に蜂居らず          栗田やすし


     餘部の高き波音柿を干す            河原地英武


     やはらかき光差しけり吊し柿          梅田 葵


     白壁に影の伸びたる吊し柿           下山幸重


     柿吊す軒に山の日溢れけり           平松公代


     不揃ひに吊る民宿の柿すだれ          篠田法子


     波静か伊根の舟屋に吊し柿           白鳥光枝


     駐在の軒に粉をふく吊し柿           横森今日子


     百目柿あるだけ吊し甲州路           大谷みどり


     峡の村二階も下も柿すだれ           岡野敦子


     高遠の町のはづれやつるし柿          橋本紀子


     軒裏を夕日に染めて吊し柿           ころころ



          



     柿吊られ酒売る店のはや灯す          角川源義


     これよりの海の匂はぬ吊し柿          岡本 眸


     干柿や京に近くて上天気            大峯あきら


     柿簾ひとつこぼれてころがれる         長谷川櫂 


     三日目といへる朱さの吊し柿          片山由美子


     曲り家に闇の匂の吊し柿            橋本榮治 


     干し柿の渋みの中の齢かな           能村登四郎



          
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