( 桃色梅花いかり草 )
錨草山に咲き出て海の色 高橋悦男
いかり草むかしもいまも水祀り 佐藤鬼房
☆ 昨日は結社の鎌倉吟行会の予定が急な仕事の為に参加できず
本当に残念な思いでした。
ころころの青春時代、高校生活の夏休みは必ず鎌倉の材木座海岸でキャンプ
生活。当時は浜辺でテントを張り約2週間過ごしていました。
夏休みのアルバイトは御茶ノ水の日本出版2週間で費用を稼いで、出かけて
残りが宿題?(だったはず)
月初めに企てた毎日10句の目標・・・現在116句・・一日6句のペース
これからの追い上げは難しい。はてさて何句まで詠めるでしょう
( 桜草・プリムラ )
桜草の野に東京の遥かかな 富安風生
指組めば指が湿りぬ桜草 鈴木鷹夫
雨音に心ゆるべば桜草 中村汀女
プリムラや眩暈のごとく昼が来て 岡本眸
伊吹嶺の陰に日向にさくら草 ころころ
( 竹の子・筍・たかんな )
ころころの散歩コース,赤塚植物園の竹林の筍です。
見えるものだけでも2~30本、まだまだ出るのでしょうね。
(管理人さんが食べるのだろうか?)なんて下世話な事を考えていました。
中尊寺厨たけのこ出てせはし 田村了咲
竹の子の黒装束は折られたり 阿波野青畝
たかんなや吉良累代の墓所 加古宗也
筍の光放つてむかれたり 渡辺水巴
( 花桃 )
花桃の蕊をあらはに真昼時 飯田蛇笏
山碧し花桃風を染むばかり 飯田龍太
花桃やこんこんと月上がりをり 吉田鴻司
☆ 花と桜
これもお陰というのだろうか、不況と言う流行にも乗って今年は多くの
桜の花を見て周った。
そして俳句作家の悲しさと言うのだろう、句を詠まずにはいられなくなる。
秀拙は兎も角、句数も多い春となった。
詠み重ねてゆくうちに「花」と「桜」の感覚的な違いを感じるようになった。
私だけかも知れないが、それは数的なもの。
「桜」と詠えばその樹または二三本を思い
「花」と詠えば、全体的な花の景色を思う。
ころころの力の無さかまだ取り合わせの句が多いのは仕方ない
何時か胸張って紹介できる桜の句が詠めると信じる事にした。
( 樒・しきみ )
春の日のつるつる辷る樒かな (四十八歳) 小林一茶
樒さす手からも霧は立にけり (四十二歳)
今朝の読売新聞に小林一茶の未知の句2句が紹介されていました。
縦9センチ横34センチの紙に書かれた句日記の中にあったものです
生涯二万句を詠んだといわれている一茶。日記と俳句を同じ紙に書いた
六番日記の中の句と見られています。
文化5年(1808年)4月2日(旧暦)
菜の虫は化して飛びけり 朝の月
羽根生へてな虫はとぶぞ引がへる