( 三つ葉躑躅 )
桜が終わればもう躑躅の話題です。
本日10日からは根津権現大社のつつじ祭りが始まり5月6日まで
早咲きから遅咲きまでゆっくり楽しめます。
例年ならゴールデンウイークの少し前辺りが盛りなのですが、今年は
どうでしょうね?
昼深く東司の窓の白躑躅 瀧 春一
瀧に景は尽きたれど躑躅奥ありて 河東碧梧桐
盛りなる花曼陀羅の躑躅かな 高浜虚子
( 三つ葉躑躅 )
桜が終わればもう躑躅の話題です。
本日10日からは根津権現大社のつつじ祭りが始まり5月6日まで
早咲きから遅咲きまでゆっくり楽しめます。
例年ならゴールデンウイークの少し前辺りが盛りなのですが、今年は
どうでしょうね?
昼深く東司の窓の白躑躅 瀧 春一
瀧に景は尽きたれど躑躅奥ありて 河東碧梧桐
盛りなる花曼陀羅の躑躅かな 高浜虚子
( 仏生会・潅仏会 )(虚子忌)
ぬかづけばわれも善女や仏生会 杉田久女
生涯を足袋干す暮らし仏生会 井上雪
園児らの数だけ濡れて甘茶仏 大東晶子
地を指せる御手より甘茶おちにけり 中村草田男
山寺や人も詣らぬ花御堂 高浜虚子
花御堂しつらへらるゝ虚子忌待つ 池内たけし
客観を説き給ひたる虚子忌かな 深見けん二
春雷し弟子を戒む虚子忌かな 阿波野青畝
( 通草・あけび )
先端は空にをどりて通草咲く 林 徹
うすうすとかはたれ色の花通草 文挟夫佐恵
負ふた子や通草の花に手をのべる 松瀬青々
☆今月は閑もあって少し気を入れて詠んでみようと思うこの頃です
一日十句の目標も月末まで続けられるか?現在62句・・・
( 六義園の枝垂れ桜 )
六義園、五代将軍徳川綱吉の側用人の柳沢吉保の下屋敷あとにある日本庭園です
都内で一番大きな枝垂れ桜は写真の左端に居る人から想像できると思いますが
写真に写っているので半分です。
久しぶりに晴天が戻ったこの日(4月3日)の桜を目の前にして、なるほど
まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生
の一句を体感できました。
心にある一句の景色に出会う感動も俳句の楽しみです。
今日のNHK俳句での新選者西村和子氏が、私は多作多捨そして多読と言って
居られましたが、その言葉には頷けます
多読はいざ鑑賞の時には「これだ!」という感動を句の作者と分かちあえる
ような気がします。
実作成績本意の今の俳界ではあると思いますが、一個人の俳句作家として
ぜひこれからも見習いたいと思います。
と言っても気張ることもなく淡々と俳句を楽しみたいですね。
ふだん着でふだんの心桃の花 細見綾子
この句は俳句を始めた頃から好きな句で何となく心の中に残っていました
最初は桃の花の特徴、それほど日常に近い花で作者も私達も心安らげる
花、と詠ったものだと浅く観念的な鑑賞しか出来ていませんでした。
最近になって綾子さんの愛弟子、下里美恵子さんの著書「綾子先生輝いた日々」
の中でふだん着で(日常の生活)見ている桃の花が在ってふだんの心が育む
いう一項を読み,あらためて納得出来ました。つまり
ふだん着→ふだんの心→桃の花 ではなく
ふだん着→桃の花→ふだんの心 だったのです
綾子さんの主観を見事に物に託した句だったのです
著者が見つめた恩師綾子さんの人としての姿はきっと美しかったのでしょう
羨ましくも微笑ましく拝読しました。
( ゆすら梅 )
ゆすら梅まばらに咲いてやさしけれ 国松松葉女
ゆすら梅落ちるにまかせ老二人 矢田 勝代
鳥が眉逆立てて食ふゆすら梅 櫛原希伊子
梅というよりはさくらんぼのような実がなります。
昨日は眼科の帰りに少し遠出して、六義園の枝垂れ桜を見てきました。
高校時代から通学路に在って、入場にこれほど人が並んでいる光景を
見たことが有りませんでした。約300mほどの列です。
俳句を詠むようになってから植物にも興味が湧き、今ごろはどこに
何が咲いているだろう・・などと楽しめることも俳句のお陰でしょう
何方も木々草花の句は難しいと言います
実際ころころも苦手です。 句帖を手にして歩いても自然にある美しさを
十七音にしかも詩にすることは難題でしょう
ただ、例え詠めなくても、その瞬間瞬間のイメージを強く意識する訓練に
なっていると思っています。
このゆすら梅は毎年枝垂れ桜が咲く頃に六義園の奥手の間道に咲きます
( 桜 )
開花宣言から,余寒のつづく関東地方ですが、やっと満開に近づいて
きているようです。板橋赤塚の東京大仏の桜も写真のように咲きました。
宴を禁止している寺領で花見の賑わいは無くても,満開の桜大樹が供花の
ように静かな華やかさを感じさせてくれます。
俳句をする者は心ひそかに桜の句で生涯一句の秀逸を目指しているのでは
ないでしょうか?
ころころも毎年挑んでは,陳腐な語呂遊びに終わっています。
ころころの心に残る先達の数句をご紹介します。
これはこれはとばかりの花の吉野山 貞室
しばらくは花の上なる月夜かな 芭蕉
まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生
風に落つ楊貴妃桜房のまま 杉田久女
山ざくら石の寂しさ極まりぬ 加藤楸邨
ちるさくら海あをければ海にちる 高家窓秋
夜桜やうらわかき月本郷に 石田波郷
生誕も死も花冷えの寝間ひとつ 福田甲子雄
一日がたちまち遠し山ざくら 宮坂静雄
けふ見たる桜の中に睡るなり 藤田湘子
晩年の父母あかつきの山桜 飯田龍太
( 四月馬鹿・エイプリルフール )
上官を殴打する夢四月馬鹿 沢木欣一
四月馬鹿病めど喰はねど痩せられず 加藤知世子
いよいよ今日から4月です。桜ももう満開、大変な不況ですが心だけは貧しく
ならないように・・・俳句を楽しみます
そして今日は三鬼の忌日です。
広島や卵食ふ時口ひらく 西東三鬼
水枕ガバリと寒い海がある
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落
中年や遠くみのれる夜の桃
おそるべき君等の乳房夏来る
モナリザに仮死いつまでもこがね虫
曲がるたび都電腰ふり四月馬鹿 ころころ